昨今企業では、上司と部下が1対1で対話をする「1on1ミーティング」の制度が導入されています。
筆者自身、管理職(上司)に研修をする機会が多いのですが、
よくある悩みが、
「そもそも部下と会話が続かない」
というものです。
世代が違えばなおさらです。
「今日話したいテーマは?」
と上司が聞いても、
部下からは、
「いや、特にありません」
という返事が返ってくるそうです。
お互いの信頼関係を高めるはずの1on1が、なぜかぎくしゃくした時間になってしまいます。
◆今日の質問
「なぜ、会話が続かないのか?」
◇解説
「会話が続かない」と悩んでいる管理職(上司)には、共通点があると感じました。
それは、以下の3つです。
1.相手(部下)に興味・関心を持てていない
2.相手(部下)の視点になって物事を考えられていない
3.自分(上司)本位で、普段会話を進めている
企業は、常に「結果」が求められます。
職位が上がれば上がるほど、求められる結果のレベルは高くなっていきます。
そうなると、「結果」や「数字」にどうしても目が行きがちになってしまい、
部下個々人にはなかなか関心を持てなくなってきます。
競争が激しくなり、モノがなかなか売れない時代においてはなおさらです。
すると「部下を知る」ことの優先順位はおのずと下がります。
また、結果を出すためには、部下に動いてもらうしかありません。
すると、どうしても日常は「指示・命令型」の一方通行のコミュニケーションになりがちです。
なので、会話の内容も自分(上司)本位なものになります。
そんな上司の本音は、
「部下の面倒を見ている暇はない」です。
しかし、皮肉なことに、そんな上司の下では、
部下も上司の期待通りのパフォーマンスは発揮しません。
一方では、高いパフォーマンスを発揮している部下に限っていきなり退職することも…。
組織である以上、「結果」「業績」は大事です。
しかし、相互理解なくして、意思疎通はなかなか図れないものです。
意思疎通が図れなければ、当然チームとしては機能しません。
複雑で困難な課題に当たればなおさらです。
だからこそ、管理職(上司)は普段から、
1.チームの一員でもある相手(部下)に興味・関心を持つ
2.相手(部下)視点で物事を考えてみる
3.相手(部下)本位で会話を進めてもらう
そんな意識を持つことが大切になってきます。
一見遠回りですが、それを地道に積み重ねている管理職(上司)は、
チームとしても徐々に結束ができてきます。
「いざという時に、まとまるチーム」です。
そんな上司には、部下も話したいことが山ほどあるはずです。