【第67号】仕事の本質

筆者が仕事でアンケート結果の集計をしていたときの出来事です。
コメントを読んでいるうちに、こちらが意気消沈してしまうような内容がズラッと並んでいました。

ふと外を眺めると、桜がきれいに咲き誇っています。

「なんでこんな思いをしてまで自分は仕事をしているんだろう?」
「いっそのこと嫌なことは放り出して、好きなことやればいいんじゃない?」

ふとそんな思いが過ぎりました。

一方、こんなことも想像しました。
もし、嫌なことを放り出して好きなことに没頭する毎日を過ごしたのならば…
「毎日を消費するだけで、何も貢献できない人になるかも」
「すると、誰からも必要とされなくなるんじゃないか」
「でも、自分は守りたい。だから他人を引きずり落とすようなことをするかも。」
決してあり得ない話ではありません。

今、日本では以前に増して「仕事」に対してネガティブなイメージを持たれつつあるように感じます。

「職場の人間関係は面倒臭い」
「仕事は単調だし、つまらない」
「成果や結果に追われるのは嫌だ」

現に仕事に対しては、挑戦ややりがいよりも、
「安定」を求めたり、「生活のための手段」と割り切る人が増えていると言われています。

一方「仕事」とは、
「人が悩んでいること」「人が切望していること」に対して、
「それをやりたくない」「それができない」ことを奉仕することによって成り立ちます。

つまり「仕事の本質」とは、「誰もやりたがらないことをやること」にあります。

そうお伝えすると、仕事が一種の「苦行」に思えるかもしれません。

ですが、仕事に単なる苦行には置き換えられないものがあります。
仕事には「相手」があります。
ゆえに、成果が表れたときの喜びを分かち合い、
手ごたえを得られた時の喜びを感じ、
その道で必要とされる喜びを感じられます。

人には3つの心理的欲求があると言われます。
1.関係性:人とつながりたい・人から必要とされたい
2.自律性:他人から支配を受けず自分の思い通りに物事を進めたい
3.有能感:自分の能力によって人から頼りにされたい

仕事はこれらすべてを満たしてくれ、生きがいにもつながります。

一方、人には様々な生き方があって当然ですし、「仕事」だけを礼賛するつもりはありません。
ただ、今の世の中を見渡すと、「なるべくラクして」「なるべく苦労しないで」という風潮が漂っているように感じます。
「なるべくなら働かないで、トクをしたい」といった感じです。
そういう考えは人間なら誰しも持っています。
ただ、本当にお客様が困っていることを解決するには、必ずといっていいほど困難が伴います。

筆者の仕事は、企業・組織の活性化にあります。
今、企業組織では「人」に関する悩みの根が深まっています。

とはいえ、人の心や行動・関係性というのはすぐに劇的に変わるものではありません。
さらには、人は十人十色でありますから、人間関係に「こうすればうまくいく」という方程式はありません。
ゆえに、解決までの道のりは長く、苦労も伴います。
まさに試行錯誤の連続です。
ですが、この困難な山を登っている感覚が、生きている実感にもつながります。

現代はラクを求めれば、すぐに手に入る時代です。
一方、それに反比例するように「生きるのが辛い」と感じる人もこの先増えてくるかもしれません。

それに呼応するかのように、IT企業では仮想空間の世界の開発が現在進行形で進んでいます。
好きな人とだけつながることができ、(関係性)
自分の思い通り進めて、そうならなければリセットでき、(自律性)
ゲームの中のキャラを育てて、(有能感)を満たす…。
それは、苦労せずラクして人間の持つ心理的な欲求を満たすことができる夢のような世界です。

ただし、

楽は苦の種
苦は楽の種

この諺にも象徴されるように、そうした世界に没入するほど、現実の世界は生きにくくなるでしょう。

だからこそ、IK!IK!は現実の世界に目を向けていきます。
誰かに貢献できて、必要とされることで、人間関係に恵まれ、(関係性)
成果が出たときの喜びを感じ、(有能感)
自分らしい人生を送ることができる(自律性)
それは苦労は伴いますが、真に豊かな人生と言えると考えます。
そういう意味で「生きるのが楽しい」と思う人が一人でも増えるよう、IK!IK!は取り組んでいきたいと思います。

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