【第73号】めんどう

朝起きるのがめんどう…
人と会うのがめんどう…
連絡するのがめんどう…
どこか行くのがめんどう…
仕事をするのがめんどう…
職場に行くのがめんどう…
準備するのがめんどう…
料理を作るのがめんどう…
片付けるのがめんどう…
自分で何かをするのがめんどう…

「めんどう」と思わない瞬間がないくらい、
私たちは「めんどう」という感情を毎日向き合っています。
地球上約79億人が毎日そう思っているわけですから、そのエネルギーは半端ないものです。

「少しでもこの『めんどうごと』から解放されたい」

この毎日向き合っている「めんどう」という感情が文明を発達させてきました。

地図がカーナビになり、
手紙が電話、電話がメール・SNSになり、
二層式洗濯機が全自動洗濯機になり、
コンビニが発達し…、
これはもう、枚挙に暇がありません。

産業革命では、機械が「めんどう」を買って出てくれました。
IT革命では、ITが「めんどう」を買って出てくれました。
今度は、AIが私たちの「めんどう」を買ってくれようとしています。
「レコメンド機能」で、自ら探しに行かなくても欲しい商品が手に入ります。
「ねぇ、〇〇」と機械に向かってつぶやけば、必要な情報を持ってきてくれます。
その先の未来は、何が人間の「めんどう」を買って出るのでしょう。

一方で、「めんどう」を避ければ避けるほど、
何をするにつけ「めんどう」に思うようになり、
やがて、自分ではめんどうなことは何もできない人になってしまいます。

何をするにつけ「めんどうな人」になると、
周囲からすれば「めんどうくさい人」になります。
基本、「動かない人」だからです。

「めんどうな人」に何かお願いをしても、
「なんで自分がやらなくちゃいけないのか」と「いやな顔」をします。
(自分がトクになりそうなことに対しては動きますが…)
こちらも「いやな思い」はしたくないので、「めんどうくさい人」にはなるべく関わりません。
すると、ますます人間関係がめんどうに感じてしまうという、悪循環になります。

文明の発達で、さまざまなことが時間短縮(時短)になりました。
ですが、「めんどうな人」は、「めんどうくさいな~」「やりたくないな~」と思う時間がとてもながく、
何か一つ手をつけるまでに時間がかかります。
なので、結局差し引き「ゼロ」です。
それどころか、「いやな気持ちになる」という点では、むしろ「マイナス」です。

そう考えると、一人ひとりがいつもより少しだけ、
「めんどうごとを買って出てみる」
「誰かのめんどうを見る」

ただそれだけでも、すべての物事が好転していくように思います。

めんどうごとを片付けることができる人は、
様々な問題に対しても片付け上手だったりします。

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