【第89号】High Output ~前編~

仕事や練習などに取り組んでいる時、
眠い、疲れた、だるい、別のことが気になる、イライラする、不安…という気持ちになることはありませんか?
これは「出力(アウトプット)」が落ちている状態とも言えます。
すると、集中状態が続かず、ついスマホに触るなど気晴らしに時間を費やしてしまいがちです。

反対に「無我夢中で取り組めている」「一心不乱に打ち込む」「時間があっという間に過ぎた」という経験もあると思います。
こういう時ほど、集中力も研ぎ澄まされて、高いアウトプットを出せています。

仕事や競技に関わる人にとって、このような状態でいられることは理想だと思います。
なぜなら、自分にとっても、お客様にとっても、自組織にとっても良い「三方良し」の状態だからです。

一方、そのような高い集中状態でいることが良いと分かっていながらも、
なぜそのような状態になかなかなれないのでしょうか?

また、どうしたらそのような状態であり続けられるのか?
今回は2回シリーズで、その秘密に迫りたいと思います。

キーワードは、「自我」と「無我」です。

私たちは人間である以上、誰しも「自我」を持っています。
「自我」は、太古から備わっている生存本能であり「生きる力そのもの」でもあります。
平たく言えば「(効率的に)獲物を捕える力」「脅威から逃れる力」です。
獲物がなければ生命はたちまち途絶えてしまいますし、
脅威に気づかなければ、たちまち餌食になってしまいます。
(現代では、獲物は「金銭」、脅威は「人」と言えるかもしれません)

この「自我」は「エゴ」とも言い換えられます。
「エゴが強い人」は「自己中心的」「周囲のことを考えない」人としてあまり良い意味では使われませんが、
一方で自我(エゴ)がないと人は生きていけません。

ということは、私たちの中に備わる「自我(エゴ)」との向き合い方がとても大切になってきます。

自我(エゴ)は「自分のために」時間やエネルギーを費やす(あるい蓄える)ことであります。
たとえば、「将来、日本代表になりたい」「将来、医者になりたい」というような動機です。
この思いが強ければ強いほど、意欲が高まるのは事実です。
また、「なるべくラクしたい」「面倒なことは避けたい」と思うことも自我(エゴ)から来るものです。

一方、「自我(エゴ)」には副作用があります。
それは、「物事が思い通りにならない(結果が伴わない)場面」で現れます。

「こうなりたいのに、そうはなれない」

そんな状況が目の前に立ちはだかります。
例えば、努力しているのに、思うような成果が出ない…
踏ん張りたいけど、踏ん張れない…
ラクしたいと思っているのに、ラクさせてもらえない…
すると、精神のバランスが崩れ、何かとセンシティブ(神経過敏)になりがちです。
そして、不安・苛立ち・怒り・気になる(そわそわする)・自己嫌悪などのネガティブ感情が湧き起こり、集中力を低下させます。
結果として、出力(アウトプット)も減るという悪循環に陥ってしまう…
そんな副作用です。

生命には「自我(エゴ)」という生存本能が備わっている以上、誰しもが陥る罠でもあります。
(筆者もこの罠によく陥ります…)

では、どうしたらそんな状態から脱し「高い集中状態→高い出力(アウトプット)」を出し、
物事を成し遂げることができるのでしょうか?


その秘密は「無我」にあります。

…といっても、自「我」が「無」くなったら、人は生きる力を失ってしまいます。

一見矛盾する、「高い成果」と「無我」の関係。
これは一体どういうことなんでしょうか?
次週はその秘密に迫ります。

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