【第91号】配属ガチャ

最近のニュースで「配属ガチャ」なるものを目にしました。
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「配属ガチャ」とは、「新入社員として入社後、希望する職種や勤務地に配属されるか分からない」という意味で使われる言葉です。
意識調査の結果によると、多くの就活生が「配属ガチャ」に不安を抱えていて、54.9%と半数以上が、配属先は「職種も勤務地も自分で決めたい」と回答しました。
「配属ガチャ」への不安が結果的に、内定辞退や早期退職につながるケースもあると分析しています。
また、約4人に1人である26.6%が、「転勤の多い会社には行きたくない」と考えているということも分かりました。
勤務地へのこだわりの背景には、男女とも共働き希望が増えたことや、安心して働きたいという意識があるといいます。
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筆者が社会人になってから20年以上経ちますが、「時代もここまで来たか~」という感覚になりました。

筆者が就活生だった頃も似たようなことが言われていました。
それは「3年以内で離職する若者」というものでした。
「石の上にも三年」という諺(ことわざ)が死語になりつつあった頃です。

とはいえ、当時の筆者もさすがに部署や配属先までは選べない…とは思っていました。
なぜなら、まだ何も会社に貢献していない学生が権利を主張できる立場にないと思っていたからです。

とはいえ時代の流れには逆らえません。
仮に勤務地、部署の配属とも晴れて希望が通ったとします。
…と思ったら、「思い通りにならない上司」が現れました。

さあ、どうしましょう?

今度は、「配属&上司ガチャ」に不安を覚える学生がニュースになるかもしれません。
多くの就活生が「配属&上司ガチャ」に不安を抱えていて、54.9%と半数以上が、配属先は「職種も勤務地も上司も自分で決めたい」
「配属&上司ガチャ」への不安が結果的に、内定辞退や早期退職につながるケースもあると分析しています…。

そんなニュースです。

企業も人材確保に必死です。
好感度が高く、部下育成力のある上司を揃えて「良い上司に出会いたいならぜひ我が社へ!」と待ち構えるかもしれません。
「上司は選べない、部下も選べない」という定説が覆される日も近いかもしれません。

では、勤務地、部署の配属、上司とも晴れて希望が通ったとします。
するとどうでしょう…?

仕事をしていると、高い要求ばかりしてくる取引先やクレームばかり言う顧客に遭遇しました。
なるべくなら関わりたくないけど、会社にとっての重要取引先、重要顧客です…。

さあ、どうしましょう?

今度は、「配属+上司+取引先ガチャ」に不安を覚える学生が現れるかもしれません…。
多くの就活生が「配属&上司+取引先ガチャ」に不安を抱えていて、54.9%と半数以上が、配属先は「職種も勤務地も上司も取引先も自分で決めたい」。「配属&上司&取引先ガチャ」への不安が結果的に、内定辞退や早期退職につながるケースもあると分析しています…。

しかし、もうそこまで行くと、そんな自分自身が「ハズレガチャ」になっている可能性があります。

組織に条件や待遇を求めることは結構です。
一方で、その行為自体が自分自身を苦しめることになりうることも想定しておく必要はあります。

なぜなら、思い通りにならなかった場合、その現実を受け入れられず「ネガティブ感情(囚われの状態)」に陥りやすいからです。
すると、自分も周りも見えなくなります。組織への不平不満も絶えません。
それが、自分のパフォーマンスのみならず、周囲との協業力も低下にもつながります。
いわば、自分自身が「ハズレガチャ」になってしまっているのです。

一方、思い通りにならない現実と向き合い、それを受け入れることができると、
「今、自分ができること」に焦点を当てることができます。
それが、自身のパフォーマンス向上や、周囲からの信頼に変わっていきます。

置かれた場所で咲きなさい

そう言ったのは、シスターの渡辺和子さんです。

実は筆者、最初にこの格言を目にしたときに、反発を覚えました。

「なぜ自分の人生を他人に指図されなくちゃいけないのか?」
「『そこにとどまりつづけなさい』ってこと?だとすると、その人の持つあらゆる可能性にフタをしてしまうんじゃない?」
「会社を辞めないで残り続けることが『正』で、転職することが『悪』ってこと?」

そんな解釈です。

ですが、ここ最近、この格言の意味するところは違うところにあると気づきました。

それは、

「たとえ思い通りにならない現実や不遇な状況であっても、ベストを尽くすこと。そうすれば、おのずと道は拓ける。」

そんな意味です。

「道が拓ける理由」は単純明快です。
置かれた場所でベストを尽くすことで、「根っこ」が地を這うように、下へ下へと伸びていきます。
いわゆる「地力」です。
反対に、置かれた場所で滞留していれば、やがて根っこは腐っていきます。

道が拓ければ、当然、選択肢は増えます。
それはもしかしたら、別のキャリアかもしれないし、もしかしたら置かれた場所の魅力に気づくことかもしれません。

思い通りにならない現実に対して「こんなはずじゃない」「早くここから抜け出したい」と嘆く気持ちはよく分かります。
ただ、その心の持ちようでいることで、誰が一番苦しむかと言えば、誰でもない「自分であること」には気づいてほしいです。
なぜなら世の中は思い通りにならないことの方が多いわけですから。

「死ぬまで自分の思い描く理想郷なんてやってこない。だからこそ、今、自分ができることにベストを尽くす。」

そんな現実を直視した瞬間から、混とんとした世の中をたくましく生き抜く「生命力」が宿ります。
現実に対して見える景色が変わること。
それこそが、自分の中にある人生の理想郷と感じます。

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