「時間がない」
ここ最近、多くの方から聞かれる言葉です。
例えば筆者が1on1ミーティングの研修講師を務めているときも、受講者からは「時間がないから1on1ができない」という声を多く聞きます。
確かに、仕事をしていると、方々から色んなボール(タスク)が飛んできます。
「飛んできたボールを打ち返すので精一杯」ということは、筆者も体験したことがあります。
メールが1日100通を超えて、その対応で1日が終わってしまう…ということも耳にします。
だから、とにかく時間がない…という方の気持ちはよく理解できます。
ですが、実は「『時間がない』という状況は自ら作り出している」としたらどうでしょう?
にわかに信じがたいかもしれませんが、多忙極まりないと思われる人が、なぜか落ち着いた雰囲気を醸し出したりしていることがあります。
忙しさや慌ただしさをあまり感じさせません。
この違いは一体何なのでしょうか?
これは決して、頭の良し悪しや経験値の違いではないと筆者は考えます。
違いは「時間をわきまえているかどうか」にあると考えます。
筆者の実体験になりますが、
忙しい、時間がない…と感じていた時ほど、朝から晩まで「メールチェック」を頻繁に行っていました。
自ら忙しさの中に飛び込んでいったのです。
そして、重要な仕事は先延ばし…。
すると、頭の中に「未解決の重要な仕事」ばかり溜まっていきます。
それが、焦りや余裕の無さを生んでいました。
そこで筆者は、「起床後から12時まではメール・SNSをチェックはしない」というマイルールを設けて、試しにやってみました。
そうでもしないと「メールが気になる→メールチェック→即時返信」のクセから抜け切れず、自らの首を絞めてしまいます。
多少、相手に心配をかけても「当日中に返信できればそれでよし」と考えました。
このマイルールを実施してみて、効果はてきめんでした。
午前中は落ち着いた心で重要な仕事に取り組むことができるようになりました。
そして、午後にメールを返信…というサイクルです。
このシンプルなルールを実践することで、心にも時間にも余裕も生まれてきました。
「情報に対する選球眼」も高まってきた感覚があります。
以前は、不安や焦りから「何か情報に触れていないと気が済まない」という感覚でありました。
ですが、今は「限られた時間の中で、自分が得られる情報には限界がある」という考えから、「あえて情報に触れない」という選択肢ができました。
結果として、「アウトプット(創作)」に時間を使えるようになりました。
そして、「創作のために必要な情報を収集する」というサイクルになっています。
「それで、世の中のトレンド(時流)についていけるの?」
と言われることもありますが、逆に「そもそも世の中のトレンドについていく必要があるの?」という疑問を筆者は持っています。
実は、私たちは「毎日飛び込んでくる情報に煽られている」という現実にも目を向けてみても良いと思います。
そうでないと「時間がない」状態から抜け出せないと感じます。
限られた時間の中で自分にできること・できないことを見極めていくこと、
つまり「時間をわきまえる」ことが、結果として、心に余裕を持った生き方につながると筆者は感じます。