「あの人はなぜ、疲れ知らずでイキイキ働いているんだろう?」
誰しも知りたいところと思います。
上記に対して、興味深い記事を見つけましたのでご案内します。
参考文献:「脳に悪い7つの習慣」(幻冬舎新書・林成之著)
脳には「自己報酬神経群」という神経が存在します。
名前の通り「自分自身に対する報酬 = ご褒美」を与えられることによって機能する神経細胞群です。
もし「自己報酬神経群」が働かないと、
脳は思考力を十分に発揮できず、考えや心、記憶も生まれにくくなります。
裏返せば「ご褒美が得られそうだ」と脳が捉えれば、
それがモチベーションとなり、思考力や記憶力が存分に発揮され、
パフォーマンス向上につながるわけです。
では、「自己報酬神経群にとっての『最大の』ご褒美」とは一体何でしょう?
金銭でしょうか?おいしい食べ物でしょうか?
答えは「NO」です。
脳にとっての一番のご褒美は、利己的な損得の判断よりももっと広く、奥深いものです。
「自分さえよければいい」「自分のためだけにやる」という人よりも、
損得に囚われず「あの人の喜ぶ顔が見たい」「この人のために頑張りたい」と思える人のほうが、
結果的にあらゆる面で力を発揮したりしていませんか?
実は、人間には「人が喜ぶことが自分にとっても嬉しい」という本能が備わっています。
つまり脳は、人のためになるとき、貢献心が満たされるときに、「それが自分にとっての報酬である」と捉えて、
機能するようにできているのです。
もっとも、人間は置かれた環境などによって、
貢献心を失い、損得ばかりを重視することもあります。
それは脳の記憶に基づくものです。
幼少の頃か競争の世界に晒され、誰かの役に立つことよりも、
勝ち負けや貧富の差で優劣がつけられるとなると、
自分の身を守るための「生存本能」から、
後天的に、自分さえ良ければいいという考えで行動するようになっていきます。
今、企業でも教育でもスポーツでも、結果で人を評価される風潮にあります。
ただ、その「自分ファーストな考え」が、人の持っている本来の力を閉じ込めてしまう…というのは皮肉なことです。
「自分のため」だけを考えれば思考は狭まり、やがて行き詰ります。
一方、「誰かのため」を考えれば思考は無限に広がっていきます。