【第116号】アンパンマン

東日本大震災から12年が経過しました。

今回のコラムは、以前、筆者の後輩(佐藤達朗さん)がしたためたものであります。

【第13号】後輩


見た目のキャラクターとは裏腹に、その文章に心動かされるものがあったので、読者のみなさまにも紹介したいと思います。

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「なんのために生まれて なにをして生きるのか 答えられないなんて そんなのは嫌だ」

これを見てピンと来る方もいるのではないでしょうか。
そうです!アンパンマンです。
皆さんはこの歌詞をみてどんなことを感じますか。
率直に、深いなーと筆者(←佐藤さん)は感じました。

作者である、やなせたかしさんは若い頃に戦争で弟を亡くしました。
自身よりも器量も能力も格段に優れていると思っていた弟が特攻隊に志願し、戦死し、
なぜ自分は生き残ったのか。何のために生きるのか。深く重く考えさせられたそうです。

また、戦争の正義を信じて戦い続けたやなせさんでしたが、敗戦した途端に悪魔の軍隊と
揶揄されるようになり、本当の正義とは何なのかという事も深く考えたそうです。
著書にこんな言葉を残しております。

“正義のための闘いなんて、どこにもないのだ 正義は ある日 突然反転する
逆転しない正義は 献身と愛だ 目の前で餓死しそうな人がいるとすれば
その人に 一片のパンをあたえること”

これが自分の顔を分け与えるアンパンマンのルーツです。
たとえ自分が辛くても、困っている人に手を差し伸べることこそが真の正義であり、ヒーローだ。
戦争を通して感じた”真の正義”をより多くの人に伝える事こそが
やなせさんの使命であり、生きる意味である。そう捉えアンパンマンを書き続けていたのではないでしょうか。

最後に一つエピソードを紹介します。
東日本大震災の後、ラジオで最も流れた曲が「アンパンマンのマーチ」だったそうです。
不安で泣き叫ぶ子供たちを少しでも元気にするために、大人がリクエストした曲だったのですが、
流れる曲の歌詞を聴いて、子供たちは笑顔になり、大人たちは多くの涙を流したそうです。

「忘れないで夢を こぼさないで涙 だから君はとぶんだ どこまでも
そうだおそれないで みんなのために 愛と勇気だけが友達さ」

みなさんの人生のメッセージは何ですか?
どなたにそれを伝えたいですか?

心の正義に従った、勇気ある行動を小さく始めてみてはいかがでしょうか?

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