栄木の”ひとり言”

【第199号】浅草

私事ではありますが、本日(10月27日)48回目の誕生日を迎えました。
4回り目の”年男”ということもあり、いつもとは違った感覚があります。

12歳、24歳、36歳の時の自分を振り返るとともに、
60歳、72歳、84歳、96歳の時の自分はどうなっているのだろう…と想像しました。
(もしかしたら、60歳前で今生と別れを告げることもあれば、108歳まで生き延びることもあるかもしれませんが…。)

儒教の始祖・孔子は自身の人生で、「不惑の四十(四十歳になると、迷うことがなくなる)」と振り返っていたようですが、筆者は未だに惑ってばかりです。

一方で、人生の節目ということで東京・浅草での(ニ拠点)生活をはじめました。
もともと浅草の下町風情が好きだったので、念願が叶った思いです。
また、浅草に訪れる観光客はみな笑顔で溢れているので、雰囲気の良さも味わえます。
そんなわけで、昨晩(26日)は夜遅くまで浅草の街を堪能しました。
「明日(27日)は休みだし、9時くらいまでゆっくり寝るかな…」と思い眠りにつきました。

すると、夜がうっすら明けてきた頃でしょうか…。

「ゴーン」

「ゴーン」

「ゴーン」

住居からすぐそばの「浅草寺」から、10回ほど鐘が鳴り響いてきました。

眠気眼(まなこ)で時計を見たら、「朝6時」でした。

「想定外の目覚まし」にやられた気分です…。(笑)

調べたところ、「開門の鐘」と言われるもので、1日が始まることを知らせる役割があるそうです。
鐘を10回鳴らす理由は、仏教の「十界(じっかい)」に由来しています。
十界とは、仏教の教えにおける十種類の心の状態、すなわち「地獄」「餓鬼」「畜生」「修羅」「人」「天」「声聞(しょうもん)」「縁覚(えんがく)」「菩薩」「仏」の十の世界を指します。
この鐘を鳴らすことで、十界すべての心が清められるようにと祈願し、平和な一日を迎えることを願う意味が込められているとされているそうです。

なるほど、この鐘によって筆者の心が少しでも清められるのならば、ありがたく受け止めたいところです。
ですが、深夜まで飲み明かしたりすることもある、「煩悩の塊」のような筆者にとっては、「毎朝6時の10回の鐘」は苦行とも言えます…。(笑)

48歳の自分への誕生日プレゼントとして、浅草生活をスタートさせましたが、
「仏様」からも思わぬ誕生日プレゼントをいただいた気分です…。

「煩悩の犬は追えども去らず」の筆者ではありますが、
この朝6時の鐘とともに規則正しい生活を送っていれば、少しは煩悩は薄まってくるのでしょうか…。