人と組織の”葛藤”物語

【第3回】SF 調和性:争わない強さが、職場を変える

■Zoom会議、高みを目指しすぎて場が凍る。

ある日のZoom会議。
施策の進捗を話し合っていた時、私はつい言ってしまいました。

「もっとこうすれば、もっと良くなるはずです」
「このレベルでは、まだ受け手の期待を超えないですよね?」

そう、私は最上志向がトップ資質。
気がつけば、「もっと良く、もっと高みへ」と言いたくなってしまうんです。

でもその時、画面越しにふと気づいたんです。
…みんなの顔が、固まってる。

場の空気、ちょっとピリッとしてました(笑)。

その空気をふわっと緩めてくれたのは、ある仲間ーの一言。

「たしかに、改善の余地はありますね。ただ、今できていることもちゃんとありますよ」

その人のトーンも言葉選びも絶妙で、みんながスッと安心した顔に戻っていきました。
後から聞いたら、その方のトップ資質は「調和性」。

私は高みを目指してアクセルを踏みすぎるタイプ。
でも、だからこそ、場をなめらかに整えてくれる調和性の人の存在が、本当にありがたいと感じた瞬間でした。

「調和性」ってどんな資質?

一言でいうと、「ぶつからずに前に進みたい人」。
争うことよりも、お互いに納得できる形を大切にするのがこの資質の特徴です。

何か意見が割れたときも、「どっちが正しいか」ではなく「どうしたら全員が納得できるか」を探す。
そうやって場を整え、関係を壊さずに前に進める。まさに、“空気を読む力”と“翻訳する力”を持っている人たちです。

調和性の強みと盲点

調和性の強みは、対立を避けながらも、目的に向かって進める力。
みんなが話しやすい空気をつくり、納得感のある合意形成を促してくれる。

ただ一方で、「波風を立てたくない」がゆえに、自分の意見を飲み込みがちになることもあります。
本当は「こうした方がいい」と思っていても、場の空気を優先して黙ってしまう。
そのやさしさが、時に“自己犠牲”になることもあるんですよね。

でも私は思うんです。
調和性の人が場にいてくれるからこそ、私は思い切って“高みを目指す”ことができるんだと。
ぶつかりそうになったら、ちゃんと拾ってくれる人がいるから。

調和性をどう活かす?

・意見がぶつかっている場では、「共通してるポイント」に着目して、言葉にしてみる
・“誰が正しいか”ではなく、“何が大切か”という視点で場に働きかける
・「こうした方がうまくいく」という自分の意見も、言い方を工夫すればちゃんと伝えられる
・誰かの意見と誰かの意見の“橋渡し役”として、話をつなげていく

調和性って、目立たないけど、本当に大切な資質だと思います。
争わない、でも止まらない。静かだけど芯がある。
そんな“調整型リーダーシップ”が、今の職場にはすごく必要なんじゃないかなと感じます。

自分らしさを見つけるために

自分の資質を知ると、「あ、あのときの行動ってこういうことだったのか」と腑に落ちる瞬間があります。
強みは、自分では“当たり前”すぎて気づきにくいもの。
でも、仲間の資質に助けられた経験から、自分の資質が際立つこともあります。

最上志向の私は、つい高みを目指してアクセルを踏みがち。
でも、調和性の仲間がそばにいるから、安心して前へ進める。

そんなふうに、お互いの違いを知り、活かし合える関係がつくれたら、
チームもキャリアも、もっと面白くなると思うんです。

おわりに

というわけで、第3回は「調和性」についてご紹介しました。
第4回も別の資質をご紹介する予定ですので、ぜひ楽しみにしていてください!