毎年、秋になると花の種をまきます。
冬を越えて春に咲く一年草たちです。
今年まいたのは、ネモフィラとカスミソウです。
小さなポットに並んだ種が芽を出し、今は本葉が育ってきました。
ネモフィラは、光に透けるような淡い青がかわいらしく、春の風の中で揺れる姿を見ると、空と大地が溶け合うように感じます。
カスミソウは、無数の小さな白い花がふわっと広がり、やわらかく包み込むような存在感があります。
どちらも控えめなのに、不思議と心を明るくしてくれる花で、私は次の春に出会えるのを心待ちにしています。
これから寒さが深まり、霜が降り、風が冷たくなる季節を迎えます。
けれどもその間にも、寒さに耐えながら見えないところで根は伸び、植物は静かに春に花を咲かせるための力を蓄えています。
そんな姿に、毎年のように励まされます。
冬の間は、春の花たちにはほとんど変化がないように見える日が続きます。
それでも、実は育っていて、春が来れば必ず花を咲かせる。
当たり前のようでいて、毎年そのことに小さく驚き、そして嬉しくなります。
時間をかけて育つものの存在に触れると、急がなくてもいいのだと教えられている気がします。
芽を見ていると、急がなくてもちゃんと季節はめぐるんだなと思います。
私もそんなふうに、今を丁寧に過ごしながら、春の花たちと成長し、春を楽しみに待てたらいいなと思っています。
