人と組織の”葛藤”物語

【第16回】SF アレンジ:正解をそのまま使わず、意味が届く形に整えること

そのまま再現しない、という才能

みなさん視聴されましたか?「不適切にもほどがある!」です。

昭和のおじさんが令和に放り込まれる。
発言は今の基準だと、だいたいアウト。

でも、このドラマは「昭和は良かった」とも「令和が正しい」とも言い切りません。
やっているのは、違和感をそのまま差し出すこと。

昭和の言葉を令和の空気に置き、令和の常識を昭和の視点で見返す。
過去を否定せず、でもそのまま再現もしない。この距離感が、とても印象に残りました。
これを見ていて思ったんです。これは、アレンジの仕事だなと。

アレンジの資質とは、既にあるものを、そのまま使わず、場や相手に合う形に組み替える力。

ゼロから作りたいわけではない。でも、「このまま出すのは違う」と感じてしまう。
理論や制度、方針に敬意はある。だからこそ、今に合う形に直したくなる。

アレンジのポイント

アレンジの資質が活きると、こんな力になります。

・既存の良いものを、現場で“使える形”にできる
・相手や状況に合わせて、伝え方を微調整できる
・正解を押し付けず、納得感のある形に整えられる

制度やフレームワークを忠実に守るより、
ちゃんと機能する形に整える人。
それが、アレンジの資質を持つ人です。

アレンジの盲点

一方で、気をつけたい点もあります。

・直し続けてしまって、完成しない
・周囲からは「結局、何が言いたいの?」と見える
・良くしようとするほど、こだわりが前に出る

だから大事なのは、
何のためにアレンジするのかを決めておくこと。
全部を変えない。
一度、60点で出してみる。
引き際を決めた瞬間に、価値が立ち上がります。

最近のリメイク作品が教えてくれるのは、新しいものを作ることより、
既にあるものを今に合う形に直せる人が必要だということ。

キャリアも同じです。正解をなぞるより、自分に合う形に意味づけしながら進んでいく。
アレンジの資質は、そんなキャリアに向いています。

そのまま出したら“不適切”。でも、整えたら“問い”になる。
強みを知れば、真似しなくてよくなる。自分なりに使っていいと思えるようになる。