栄木の”ひとり言”

【第248号】「タイトルは狙いにいかないと取れない」

あと一本。
応援していたプロ野球選手が、惜しくもタイトルを逃しました。
結果を見た瞬間、正直、悔しかったです。
それでも、その姿からは、最後まで“狙いにいく覚悟”が伝わってきました。

先日、その選手にOBの王貞治さんが、こんな言葉をかけたそうです。

「タイトルは、狙いに行かないと取れない。」

この言葉、野球だけでなく、私たちの仕事や人生にも響きます。

目標は、「達成しよう」と思わなければ、決して達成できない。
その一方で、狙うほどに力んでしまい、空回りすることもある。
筆者自身も、強く意識しすぎて焦り、周囲が見えなくなった経験が何度もあります。

では、目標なんて意識しない方がいいのでしょうか。
無欲でいた方が、結果的にうまくいくのでしょうか。

そう問われると、それも違うように思います。

筆者が思うに、「大欲を叶える人」は、「小欲を制御できる人」だと思います。
“タイトル”という大きな夢をつかむためには、
その瞬間の「一本打ちたい」「結果を残したい」という小さな欲を抑え、
自分のスイングに徹することが必要です。

“狙う”と“徹する”は、矛盾しません。
むしろ、一本の線の上にあります。
狙いを定めるからこそ、ぶれずに徹することができる。
ヒットやホームランは狙って出るほど簡単ではありません。
「〇〇を貫いた結果、出るもの」です。

仕事や受験も同じです。
目標を掲げるだけでは、達成できません。
努力しても、必ず報われるとは限りません。
かといって、目標を掲げずに到達することは、ほぼ不可能です。

大切なのは、
「〇〇した結果、目標を達成できた」
と言えるような“〇〇”を、自分なりに見つけておくこと。
より具体的な、“自分だけの再現性”です。

そして、もうひとつ。
結果は大切ですが、結果は結果になった瞬間に“過去のもの”になります。
本当に大事なのは、結果から何を学び、どう次につなげるか。

結果に一喜一憂する時間もいいですが、
“次の打席”に立つ準備をしている時間の方が、次の目標(狙い)に届きやすくなります。
結果を過大評価も過小評価もせず、次への『学びの肥やし』にする。

タイトルを逃しても、仮にタイトルを獲得したとしても、まだ次の打席は続きます。
それが、野球というスポーツであり、
人生という舞台だと思います。

あなたにとっての“〇〇”は、何でしょうか。
「狙う」と「徹する」を、今日一日で両立させてみませんか。