昨日、ショッピングモールに行ったときのことです。
“ブラックフライデー”という文字が、あちこちに並んでいました。
「◯◯%OFF!」「期間限定!」
とにかく、買い物の熱気がすごいです。
いいものを買うと気分が上がります。
ちょっと幸せにもなります。
これは本当にそうだと思います。
ただ、その中でふと、
「得ること」ばかりに意識が向かっている自分に気づきました。
そのとき、最近読んだ本の一節を思い出しました。
あなたが、この世で得たものは、この世には残らない。
あなたが、この世に与えたものだけが、この世に残る。
……ただ、ここだけ切り取ると、たしかにツッコミたくなるかもしれません。
「財産は残るよ」「遺品は残るよ」って。
でも、筆者が言いたいのはそこではありません。
ちょっと想像してみてください。
たしかに財産も遺品も“物”としては残ります。
でも、あなたの心に残っているのは、
その物そのものではなく、
「誰が、どんな気持ちで残してくれたのか」ではありませんか?
遺品がただのモノではなく、想い出として心に残るのは、
その人があなたに“温かい何か”を分け与えてくれた人だからです。
思いやり。
そっとかけてくれた言葉。
背中を押してくれた瞬間。
そのすべてに「気持ち」がのっています。
そして、それだけが人の中に残り続けます。
ここで、ひとつ質問です。
あなたが“心地よい気持ち”で思い浮かべる人は誰ですか?
きっとその人は、あなたに“何かを与えてくれた人”です。
今年のブラックフライデーは、
買い物カートを見るように、
自分は、誰に、何を贈りたいだろう?
「贈り物カート」をつくってみる。
それは形式的なものではなく、
“心のこもった何か”です。
たとえば、今悩んでいるあの人の話に、耳を澄ませて聴いてみる
──そんな小さなことでもかまいません。
そんなことを少しだけ考えてみると、
今とは少し違う“温かさ”が残るはずです。
