
筆者は滅多に映画館に足を運びません。ですが『鬼滅の刃』だけは例外です。
先週、娘と一緒に『無限城編』を鑑賞しました。迫力ある映像に思わず前のめりになりつつも、気がつけば職業病のように「これは職場と同じ構造だ」と考えてしまっていました。
もちろん、会議室が突然回転したり、エレベーターが果てしなく降下し続けたりすることは現実にはありません(笑)。
ですが、「出口の見えないプレッシャー」や「人間関係の迷路」に放り込まれる感覚は、職場でも少なからず体験するものです。
1.自律とは「弱さを認める勇気」
無限城に挑む剣士たちは、決して最強ではありません。
むしろ「怖い」「勝てないかもしれない」といった弱さに直面する場面が繰り返し描かれます。
それでも彼らは逃げず、「いまの自分にできること」に集中し、一歩を踏み出しました。その姿勢が仲間を救っていったのです。
これは組織においても同じです。完璧な自分を演じ続けることは幻想にすぎません。むしろ弱さや不安を受け止めたうえで、それでも一歩踏み出して行動する。
その勇気こそが自律の本質であり、現代の企業が求める「自律型人材」の姿のように思います。
2.共創は「任せる勇気」から始まる
戦いの中で仲間が交わす「ここは任せた!」という言葉は、命を預け合う真剣さを伴います。
職場において命を託すことはありませんが、「このプロジェクトはあなたにお願いするよ」「この資料作成は君に任せたよ」というやりとりは日常的にあるはずです。
ただし、任せることは常に「リスク」が伴います。
筆者自身、心のどこかで「やはり自分がやったほうが早いのでは」と感じる瞬間が何度もあります。
しかし、「共創」とはその不安や疑念を乗り越え、「あえて任せる」ことからしか始まらないことも実感しています。
無限城で仲間を信じて先を突き進んでいくように、組織においても信頼して任せ合うことが、高い壁を超える最善の道だと感じます。
3.もしオフィスが無限城だったら
想像してみてください。会議室に入ったら壁が動き続け、来る日も来る日も会議の無限ループ…。
――実際、これは「職場あるある」と言えるかもしれません(笑)。
しかし、そのような状況でも「まずは今できることに取り組もう」「一人で抱え込まず、チームで突破口を探そう」と冷静に声をかけられる人がいれば、場の空気は変わります。
無限城もオフィスも、意外なほど共通点を持っています。
4.IK!IK!は「非常階段の案内人」
もしIK!IK!を無限城にたとえるならば、筆者たちは剣を振るう剣士ではありません。
むしろ「非常階段はこちらです」と指し示す案内人に近い存在です。
出口が見えない状況で、「一緒に考え、解決の糸口を示し、そして一歩踏み出す背中を押す」ことが、IK!IK!の役割だと考えています。
映画を観終わったあと、筆者の胸に残った問いは、
「もし自分が無限城のような極限状況に立たされたら、仲間を信じて踏み出せるだろうか?」というものでした。
……と、かっこよくまとめたいところですが、実際はひどく泣いてしまい、ハンカチどころかティッシュが手放せませんでした。
ちなみに、娘は事前にティッシュとゴミ袋を用意しており、その気配りにまた泣けるというオチつきです(笑)。
職場でも無限城でも、そして家族でも、やっぱり「仲間がいるから乗り越えられる」ということなんですね。