栄木の”ひとり言”

【第257号】今年の漢字

2025年も残すところ、あと1か月を切りました。
毎年この時期に取り上げている「今年の漢字」。
今年は12月12日に発表されます。
今回は、筆者なりの予想を書いてみたいと思います。

過去のバックナンバーはこちら。
 ↓
2021年:https://ikiiki-e.com/column/post_805/
2022年:https://ikiiki-e.com/column/post_682/
2023年:https://ikiiki-e.com/column/post_382/
2024年:https://ikiiki-e.com/column/post_191/

今年の一般的な予想は「熊」。
途中経過でも「熊」が上位に入っており、
おそらく“今年の漢字”に選ばれる可能性は高いでしょう。

それ自体はとても納得できます。
今年は熊の出没が相次ぎ、8月には知床で痛ましい事件も起きました。
私たちの記憶に強く残った出来事であることは間違いありません。

ただ、筆者としては――
「脅威」の「脅」も十分に“あり得る”のではないか。
そう感じています。


■ 熊だけでは語り切れない「2025年の脅」

“脅”という字は、本来「揺さぶられる」「不確かになる」という意味を含みます。
今年を振り返ると、この“揺らぎ”が生活のあらゆる場面で顔を出した一年でした。

たとえば、

  • コメに象徴される物価高で、暮らしそのものがじわじわと「脅」かされる感覚
  • 台湾情勢など、地政学リスクが現実味を帯びてきた「脅威」
  • AI急拡大により、「仕事が奪われるのでは?」という身近な「脅威」
  • “猛暑”では済まない、記録的な「酷暑」がもたらした天候面の「脅威」

そしてスポーツ界では、
ドジャースの大谷翔平・山本由伸・佐々木朗希、各選手の活躍は、私たちにとっては胸がすくような“驚異”。
ですが、対戦相手から見れば間違いなく「脅威」でした。

さらに今年、サッカー日本代表がブラジルを撃破した試合も印象的でした。
私たちにとっては夢のような勝利ですが、世界の強豪国からすれば
「日本が新たな脅威として台頭してきた」と映っていたかもしれません。
来年の北中米ワールドカップでは、いよいよサッカーの“世界地図”が塗り替わる可能性すらあります。

良い意味でも悪い意味でも、
「脅」という字が持つ振れ幅の広さが、今年の空気と一致しています。

生活・安全・経済・政治・スポーツ・テクノロジー…
あらゆる分野で “揺さぶられる感覚” が重なった一年。
熊という“現象”だけでなく、その根底にある“揺らぎ”まで含めれば、
筆者は「脅」のほうが今年を象徴しているように感じています。

そして脅威というものは、恐れだけではありません。
ときに私たちを前へ押し出し、次のステージへ向かわせる力にもなります。
今年の“揺らぎ”は、その前兆なのかもしれません。

■ 筆者にとっての最大の「脅」は…

さて、ここまでいろいろ書いてきましたが、
筆者にとって今年いちばんの“脅威”はというと――

ジワジワと増えていく自分の体重です…。

熊も物価高もAIも脅威ですが、
結局いちばん向き合わなければならない脅威は、
いつだって“自分自身”なのかもしれません。

来年こそは、
この“内なる脅”に打ち勝つ一年にしたいと思います…。