栄木の”ひとり言”

【第209号】2025年、最初のコラムです

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
年末年始はいかがお過ごしになられましたでしょうか。

2021年1月から始めた本コラムも、おかげさまで5年目に突入しました。
今年も、徒然なるままに、その時々で感じたことを綴っていこうと思います。

さて、新年といえば、気持ちをリセットする節目でもあります。

2024年を振り返る中で、大きく反省することが一つありました。
それは、四六時中、寝ても覚めても仕事のことばかり考え、知らず知らずのうちに周囲に高い要求をしすぎてしまったことです。
「顧客に貢献したい」「失敗は許されない」という思いに駆られ、結果的に同僚やメンバーに厳しく接してしまう場面が増えていたように思います。

顧客から見れば、「期待に応えてくれる」「無理難題を受け入れてくれる」と評価されることもあったかもしれません。
しかし、同僚やメンバーにとっては「認めてもらえない」「押しつけられている」と感じられていたように思います。

筆者はもともと「もっと良くしたい」「高みに挑みたい」という思いが強く、その姿勢自体が成果を生むこともありました。
しかし昨年は、その思いが過剰に働き、「悪癖」として出てしまったと感じています。

この「悪癖」が再燃した理由は大きく3つあると思っています。
1つ目は、「世の中をより良くしたい」という使命感。社会や顧客に本気で向き合ううちに、「結果を出さねばならない」という思いが先行し、独りよがりな態度をとってしまったように思います。
2つ目は、チーム体制を本格的に敷いたこと。リーダーとしての責任感が芽生えた一方で、メンバーにも自分と同じ熱量や責任感を求めてしまったように思います。
3つ目は、経営者という立場からくる危機意識。「失敗は許されない」という思いや「身銭を切る感覚」が筆者の心に余裕をなくし、結果としてメンバーとのコミュニケーションよりも、リクエストを優先させてしまったように思います。

昨年末のコラム(第206号)では2025年のテーマを「公」と掲げましたが、
以上のような反省から、ここで前言撤回をします。

2025年、筆者のテーマは「楽」です。
(昨年の娘の漢字一文字に倣いました(笑))

今年は「楽しむ」ということを何よりも優先していこうと思います。
仕事を楽しむのはもちろん、人付き合いや遊びも楽しむ。
そして、失敗や思い通りにならないこと、困難やトラブル、時に訪れる痛み――それらもすべて「楽しんでしまおう」と思っています。

年末に手相占いで「来年と再来年は『山登り』の年になるね」と言われました。
「きっと大変な年になるよ」という遠回しの忠告だったのかもしれません(笑)。
でも、それを覚悟の上で、筆者は今年の「ヒリヒリ感」を楽しもうと思います。

「楽しむ」というのは、ただ苦しさをポジティブに変換することではありません。
そこには、あえて楽しむ余白を作る姿勢があります。
忙しい日々の中でも、意識的に「無駄な時間」や「寄り道」を楽しむことを大切にしたいと考えています。
それは、一見効率的ではないかもしれませんが、その余白が新しい発見や、人と人との温かいつながりを生むのだと思うからです。

今年の年末、どんな景色を見ているのか?
山の頂きで見る景色を楽しみに、時には回り道や寄り道をしながら、仲間と共に困難を楽しんで登っていこうと思います。