先日、筆者は2年目社員向けの「自律(セルフマネジメント)」に関する研修を行いました。
人間関係の悩みが多いだろうと思っていましたが、
実際に最も多かった声は、
「時間がない」
でした。
やることが多い。
優先順位がつけられない。
余裕がほしい。
休憩時間になっても、多くの人がパソコンやスマートフォンを開き、
メールを返し、仕事を処理していました。
研修中にも上司から指示が飛んできたという人もいました。
確かに、時間は足りないように見えます。
しかし筆者は、こう伝えました。
「時間がない」というよりも、
「アクセルを踏みっぱなしの状態になっているだけです」と。
車の運転に例えれば、高速道路を休まず走り続けている状態です。
サービスエリアにも寄らず、ただ前へ前へと進み続ける。
通知に反応し、
メールに即返信し、
次の仕事へ移る。
現代の仕事は速い。
速さは必要です。
けれど、アクセルを踏み続けていると、
一番怖いことが起きます。
「感じなくなること」です。
運転していても、きれいな夕焼けに気づかない。
目的地と目的地だけを結ぶだけのドライブ。
疲れているのに、そのサインを見落とす。
みなさまも、こんなことはありませんか。
観光地で景色を味わうよりも、
効率よく回ることを優先してしまう。
景色を感じるよりも、写真に収めることに集中する。
気づけば、思い出よりも写真だけが残っている。
仕事も同じです。
速さに支配されると、人は自動運転モードになります。
面倒で厄介な仕事を後回しにし、
処理しやすい仕事に逃げます。
その結果、仕事は溜まり、
頭の中には「気がかり」が増えていきます。
そしてまた「時間がない」と感じ、
さらに速く走ろうとする。
まるで回し車の上を走り続けるラットレースのように、
走っているのに、前に進んでいる実感が持てない状態です。
効率ばかりを追い、
目の前の人の微妙な変化に気づけなくなる。
仕事は「人の心」を扱っているにも関わらず、です。
だからこそ筆者は、
日常生活の中で、意図的にブレーキを踏む時間が必要だと考えています。
立ち止まり、感じる。
違和感に気づく。
何に時間を使うのかを選ぶ前に、
まずは「いま、自分はアクセルを踏みっぱなしになっていないか」と気づくこと。
時間を効率的に回すことがタイムマネジメントではありません。
自分のアクセルとブレーキを、自分で扱えているかどうか?
「時間がない」を「余裕がある」に戻すヒントは、実はこんなところにあったりします。
