
読者のみなさまは「現代病」という言葉をご存知のことと思います。
ここでは、読者のみなさまが、「現代病」にかかっていないかを診断するチェックテストを行います。
「あ、これ、なんだか自分にも当てはまるな」と思うものにチェックをしてください。
□ 常に「時間や仕事、お金などに追われている」と感じる
□ 呼吸が浅いと感じることが多い
□ 日常において「焦り」や「せわしなさ」を感じる
□ つい「先を急ぐ」ことが多い
□ 常に何かをしていないと落ち着かない
□ 「心に余裕がない」と感じる
□ 「時間が足りない」と思うことが多い
□ 休みの日も人と会うのが疲れるため、一人で過ごすことを好む
□ 無意識のうちに頻繁にメールやSNSをチェックしてしまう
□ 「時間がかかる仕事」に面倒を感じる
何個当てはまりましたか?
診断結果は以下の通りです(あくまで目安です)。
3個以下:現代病の影響がほとんどない。心に余裕があり、情報の海にも流されずに自分を保っています。
4~5個:軽度の現代病。日々のストレスやデジタルデバイスの影響が見られますが、まだ管理可能な範囲です。
6~8個:中度の現代病。日常生活に明らかな影響が出始め、不便や焦燥感が頻繁に感じられるようになっています。
9個以上:重度の現代病。日々の生活が大きく影響を受けており、ストレスマネジメントやライフスタイルの見直しが急務です。
いかがでしたでしょうか。
「現代病」という言葉は、主に現代社会に生きる人々が抱える心身の症状やストレス関連の問題を総称して使われています。
現代病の症状を詳しく見てみましょう。
1.情報過多
情報が溢れる現代社会で、常に多くの情報にさらされることが、精神的な疲労や判断力の低下を引き起こします。
2.デジタルデバイスの過剰使用
スマートフォンやパソコンなどのデバイスの過度な使用は、睡眠障害や注意散漫、コミュニケーションスキルの低下を引き起こします。
3.社会的孤立感
SNSの普及は人々を繋げる一方で、実際の対人関係が希薄になり、孤独感や孤立感を増大させます。
4.タイムプア症候群
「時間が足りない」と感じることが多く、心身の疲労やストレスが蓄積されます。
5.職場や学校でのストレス
競争が激しい環境は高いストレスを生じさせ、心身に様々な症状を引き起こします。
筆者自身、以前このチェックテストを行った際には、9個当てはまり、重度の現代病だったことを思い知らされました。
しかし、最近、「ある心がけ」を取り入れたことで、その数を2個まで減少させることができました。
そして、その「心がけ」が絶対的に正しいと申し上げるつもりはありません。
ただし、誰しもが取り入れることができる心がけでもあると思ったので紹介いたします。
1.「命は借り物」
多くのストレスは、「〇〇は自分のもの」と思うところから生じるものだと思います。
〇〇はたとえば、時間・土地・お金・能力・容姿・人脈…などが挙げられます。
「自分のもの」と思えば、当然失いたくありませんし、得るための努力をするでしょう。
では、「『自分の命』は自分のもの」でしょうか?
「当然、自分の命は自分のもの。だからこ、自分の命をどう使うかは自分の自由」と思われる方もいるかもしれません。
ですが、実はここに落とし穴があります。
答えは「NO」です。
心臓・脳・肉体…「命」は決して自分で作れませんよね。
少し大きな話になってしまいますが、「命」は先祖代々から紡がれ、天からの授かったものです。
つまり、自分の命はどこからか「レンタル」してきているのです。
そう考えれば、自分の命を自分を満たすためだけに使うのではなく、良い形で使って、なるべく綺麗な状態で返そうと思えるはずです。
そして、また次世代に良い形で命のバトンを紡いでいく…。いわば循環社会です。
「自分の手元にあるけれども、自分のものではない。だから、適度に手放して循環させていく。」
そんな「借り物」の感覚でいた方が、不満・不安・喪失感も薄れ、「心に余裕」を生み出してくれます。
2.「『目的の完全な達成は生きているうちには不可能である』という受け容れ」
多くの偉人たちが自身の生涯を通じて追求した目的は、彼らの死後もなお続いています。
たとえば、マハトマ・ガンディーやマーティン・ルーサー・キングが見せた社会変革の努力は、今日においてもなお影響を与え続けています。
しかし、残念ながら達成には至っていません。それどころか、格差は広がり、無益な争いが繰り返さているのが現実です。
では、私たちはこれらの現実を嘆くしかないのでしょうか?
答えは「NO]です。
ここで申し上げたいことは、「目的を追求することそのものに意味がある」というものです。
目的を達に向けた「道のり(未知の理)」そのものに価値を見出し、新たな発見や手ごたえ、仲間との分かち合い、成長実感を楽ししむことによって、生命は躍動します。
宇宙の解明、社会問題の解決、美の追求…なんでも構いません。
自分の心の底から湧き起こるような「的=何のために生きたいか」を見つけることは、生命が本来持っているエネルギーを躍動させることにもつながると感じます。
きっとその「的」は目的地にたどり着くことはなく、生涯追求していくものでしょう。
ですが、そこに至るプロセスそのものを楽しむことができれば、焦る必要も、急ぐ必要もありません。
これらの心がけは、筆者にとってただの思考の転換ではなく、日常生活の質を根本的に改善するものでした。
現代病からの解放だけでなく、仕事のパフォーマンス向上、人間関係の深化、そして何より心の平穏を得るための重要なステップとなりました。
このコラムが、同じように現代の悩みに直面している皆さんの一助となれば幸いです。