栄木の”ひとり言”

【第174号】IK!IK!の仕事

5月をもって5期目を迎える当社。

当社IK!IK!の仕事は、
「一人ひとりのパフォーマンス向上(仕事の成果を高めること)」
「組織のエンゲージメント向上(仕事に対する熱意や積極性を高めること)」

にあります。

これは一見分かりやすいようですが、

「じゃあ、どうやって高めるの?」

というのは、実は捉えどころのないものです。

「体重の増減」に代表されるように、「こうすればこうなる」というように「ある行動がどのように結果に影響するのか」が分かりやすかったり、短期間で結果が出るものあればまだ分かりやすいです。

しかし、「パフォーマンス」や「エンゲージメント」というのは、成果に至るまでのプロセスは複雑な要因が絡み合ったりもしますし、結果が出るまでにかなりの期間も要します。
さらには、「それをやって本当に成果が出るの?」と確証もないため、分かりにくいものです。

例えば、プロ野球選手が「シーズンで30本のホームランを打つ」という「パフォーマンス向上」に関する課題を設定したとしましょう。
これはすぐに成果が出る目標ではないですね。そこに至るまでには様々な要因が関係してきます。

「こうすればうまくいく」という「How to(ハウツー)」を提示して、果たしてうまくいくでしょうか?

答えは「否」です。

もし、「正」であれば、今ごろ、その「How to」に誰しもが飛びついていることでしょう。

ただ、決して「How to」を否定しているのではありません。

大事なのは、その「How to」にたどり着くまでの「プロセス」です。

自ら考え抜いたり、試行錯誤を繰り返してたどり着いたHow toなのか、
それとも、借り物のHow toなのか…。
同じHow toでも、その効果は異なります。

筆者は、その目の前の相手になることはできません。
ですから、そんな相手に「こうすればうまくいく」「こうした方がいい」と分かったようなことは言えません。
相手がその問題にきちんと向き合っているなおさらです。

筆者にできることは、「対話」を通じて相手が「自分自身で問題を解決する力をつけること」の手助けをすることです。
それが、その人にとっての解決「策」(How to)につながったりもします。

具体的には、本人が直面する課題に対して、コーチングセッションを通じて、本人自身が問題の根源を理解し、解決策を自ら考える機会を持てるようにサポートしています。

これは、個人だけではなく、組織についても同じことが言えます。
たとえば、「組織のエンゲージメント向上」に向けて、「日常のコミュニケーションが大事です」と一介の講師に言われたところで、現場のみなさんは納得いかないでしょう。
「それができないから困っているんだよ」
「自分たちはこれだけ大変な思いをしているのに、この講師は私たちがそどれだけ苦労しているか全然分かっていない」
と言われるのがオチです。

一方で、現場のみなさんが、組織の問題点を洗いざらい吐き出して、本当は組織をどうしたいのか?そのためにはどうしたらいいのか?明日からできそうなことはどんなことなのか?ということについて語り合った結果、「日常のコミュニケーションが大事」という結論にたどり着けば、きっと「エンゲージメント向上」に向けた有効な手段(How to)になることでしょう。

実際に、ちょっとした挨拶・声掛け・確認などを、一人ひとりが立場関係なく励行したことによって、実際に「昨年に比して従業員エンゲージメント調査のスコアが向上した」という事例もありました。

筆者(当社)にできることは、クライアント(個人・チーム)の意見や考え方を整理し、あるべき方向に導くことです。

だから、その人・組織にとっての「最適なHow to」にたどり着きやすくなります。

今、巷では「こうすれば儲かる」「こうすれば健康になる」など、「こうすれば〇〇する」という情報で溢れています。

確かに、そのようなハウツー本は、その著者にとっては真実かもしれません。
ただ、それらの情報を「頭」から仕入れたところで、自分の「血肉」にはなりません。

「自ら考える人・組織になること」へのお手伝い。

それが、当社の役割と認識しています。