
先週、人生で初めて「石垣島」に足を踏み入れました。
1月にも関わらず最高気温は25℃。初夏の陽気でした。
到着して早々驚いたのは、車の走る「スピードの遅さ」でした。
日本各地を旅してきましたが、ここまでゆっくり運転をする場所は初めてです。
設定したカーナビの到着予定時刻がどんどん遅れ、イライラが募ってくることも…。
口コミサイトで調べましたが、どうやら石垣島はそのような土地柄だそうです。
それは、現代人の忙(せわし)なさとは対極にあるように思いました。
現代は「タイパ」という言葉に象徴されるように、とかく「時間対効果」が重視されています。
世の中も「タイパ」を高めるツールで溢れています。
筆者も当然、その恩恵を受けています。
ただ一方で、「何か大事なものを見落としている感覚」がありました。
このときふと浮かんだのが、
「どちらの生き方が、『時間』と向き合い、『時間』に対する満足度が高いのだろう?」
という問いでした。
朝目覚めた瞬間に、「今日はこうして、ああして…」とあれこれ頭の中で考えながら、複数の事柄を捌く日々。
時間に追われている感覚や焦燥感がどうしても拭えませんでした。
ゆっくり何かを味わったり感じたりすることがあまりなかったように思います。
今思うと、
「いかに限られた時間の中で多くのことを処理するか?」
というイマドキにありがちな思考回路に陥っていました。
時間に対して少々欲張りになってしまったのかもしれません。
多くのことを詰め込みすぎて、時間との「間合い」がなくなっていたな…と反省しました。
石垣島の旅では、デジタルデバイスとはあえて距離を置き、波打ち際で海をただボーッと眺めるなど、いつもとは違う時間の過ごし方をしました。
「日常生活に戻ると、また忙(せわし)しない毎日が待っているのでは?」
と思われそうですが、今回はそうはならないための新たな気づきを得ました。
何かにつけ「間」を詰めすぎていたことが、自分の首を絞めていた…という事実です。
たとえば、ちょっと時間が空くとすぐスマホを触る、メールやSNSをチェックする、スケジュールをぎっしり埋める、動画を1.5倍速で見る、Googleマップ少しでも近道を探す…などです。
裏を返せば、時間と適度な間合いを取っていくことが、良好な心理状態にもつながることも実感しました。
スピードを出せば出すほど、視界が狭まりますが、
適度なスピードで走れば、視界は広がり、多くのものが見えてくる感覚です。
おそらく、筆者のような悩みを抱えている現代人は多いと思います。
だからこそ、今回のコラムが「今後の時間との向き合い方」のヒントになれば嬉しく思います。