
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
本コラムの執筆の目的は、読者のみなさまの「一服の清涼剤」になることです。
読後の清々しさや、やる気スイッチONになることを願い、ペンを走らせています。
2024年1回目のコラムのテーマは、“挑戦”です。
読者のみなさまは、冒険家の“三浦雄一郎さん”はご存知でしょうか。
今年で92歳になりますが、70歳・75歳・80歳とエベレストに三度登頂を果たし、特に80歳での登頂は史上最高齢としてギネス世界記録にも認定されています。
ヒマラヤ登山に関する記録をまとめた「ヒマラヤン・データベース」によると、エベレストには過去70年間で6000人ほどしか登頂しておらず、 一方で、300人以上が命を落としているということなので、この記録がどれだけすごいことかが分かります。
そんな三浦さんですから、人生挑戦の連続だったのでは?と思いましたが、決してそんなことはありませんでした。
実は、60歳で一度冒険家もプロスキーヤーも引退しています。
講演活動を生業にして余生を楽しもうと考えていたそうです。
世間一般のサラリーマンの定年が60歳ですから、当然そのような選択肢を取ることもうなずけます。
ただ、それまでの反動からなのか引退後は運動をしなくなり、好きなものを好きなだけ飲食するような生活を送り、気づけばメタボ体型になっていたそうで、身長は164cmながら、88kgまでになったそうです…!
不整脈、高血圧、高脂血症に加え、糖尿病の疑いもあるということで、65歳の時、医師から「三年以内が危ない」と余命宣告を受けてしまいました。
そんな時、三浦さんが目にした光景は、99歳でもなお名峰モンブランをスキーで滑走する父と、オリンピックで活躍する息子の姿でした。
そんな二人の輝かしい姿に奮い立たされ、65歳を機に人生を再出発することに決めたそうです。
「この5年間でメタボの状態から復活してエベレストを登頂できたら、普通な人が登るよりもむしろ意味があるんじゃないか。」
「病気をしたり、怪我をしたりなどのハンディキャップを乗り越えて、達成できたらもっとすごいんじゃないか。」
そうなると、俄然やる気が湧いてきたそうです。
そんなワクワクした前向きな心持ちで、目の前に起こる出来事を捉えていたそうです。
「自分が定めた目標、決めた道に向かってまっしぐらに前進していこう、何が何でもやってやろうという確固たるブレない心持ちで取り組んでいくこと。同時に、その状態を心底楽しむこと。」
それが自分の限界を超えることにつながっていく…と三浦さんは述べています。
なお、三浦さんは、2020年6月に病で倒れ、首から下が動かせなくなり、要介護4のハンディキャップを負いました。
それでも、懸命なリハビリの末2023年の8月、90歳にして富士山の頂に再び立ちました。
三浦さんは、「人生とは“クレバス”だらけである」と述べています。
“クレバス”とは、氷河や雪渓などに潜んでいる深い割れ目のことで、そこに滑落して命を落とす登山家もいます。
「人生、いつアクシデントが発生するか分かりません。クレバスのような逆境や試練に直面し、人生に絶望しそうな時であっても、絶対にあきらめない心を持ち続け、目の前の壁を乗り越えられると信じて、一歩ずつ積み重ねていく。そうすれば必ず前進し、いつしか道は開ける。」
三浦さんの言葉には説得力があります。
また、こうも述べています。
「人間には一人ひとりに“エベレスト(最高峰)”がある。どんな人でもそれぞれの立場や置かれた状況において、自分にできる最高の目標を目指し、そこに向かって挑戦し続けていくことが大事ではないでしょうか。」
混沌とした世の中だからこそ、一人ひとりが自分の中に光明を見出し、道なき道を歩んでいく…。
そんな生き方が、また周囲に希望を与えていく…。
少しでも明るい世の中になるよう、当社は今年も挑戦し続けてまいります。