人と組織の”葛藤”物語

【第22回】SF 活発性:「最近の若手は動かない」は本当か?──Z世代と活発性のリアル

「最近の若手は指示待ちで困る」「もっと自分から動いてほしい」──こんな声を、最近よく耳にします。
でも、私が1800人以上の方と資質を見てきて思うのは、”動く・動かない”は世代の話ではなく、その人の資質の話だということ。
今回のテーマは、影響力の領域にある「活発性(Activator)」。”動かす”ことで価値を生み出す資質です。

■「活発性」って、どんな資質?

一言でいうと、「考えるより、まず動く」。

新しいアイデアが出たら「いつ始める?」「今やろう!」とスイッチが入る。会議で議論が長引くと、「で、誰がいつまでに何を?」とつい口にする。失敗自体は気にならない。「やってみないとわからない」が口ぐせです。
私の知っているメンバーに、活発性が上位の方がいます。新しい企画の話が出ると、その日のうちに「とりあえずたたき台を作ってみました」と共有してくれる。完成度はまだ60%でも、議論の起点ができることでチームが一気に動き出す。これが活発性のすごさです。

「Z世代は動かない」は本当か

冒頭の話に戻ります。「最近の若手は動かない」と感じるとき、本当に世代の問題でしょうか?

現場で見えるのは、こんな景色です。
・ “指示待ち”に見える若手の中に、活発性が高い人がいる。「動いていいのか分からない」だけ。
・ ベテランの中にも活発性が低く、慎重に進めたい人は多い。
活発性は世代を超える、その人個人の資質です。「Z世代だから動かない」と一括りにすると、せっかくの活発性が見えなくなる。逆に、活発性の高い若手に「もっと考えてから動け」と止めてしまうと、強みを潰してしまいます。

活発性の強みと盲点

強みは、停滞を打破できること。「考えすぎて動けない」状態のチームに火をつけられる、希少な才能です。
一方で、慎重さや分析思考が強い人からは「準備不足」「リスクを軽視している」と見えることがあります。「とりあえずやろう」が、相手には「私の検討は無駄なの?」というメッセージに聞こえてしまうこともあるんです。

■活発性をどう活かす?

【活発性が高い本人へ】
・ 動く前にひと呼吸。「相手は今、考えたいフェーズか、動きたいフェーズか」を確認する。
・ 「失敗してもいい範囲」を自分で決めて動く。”暴走”と”前進”は紙一重。

【活発性が高い若手・新人を持つ管理職へ】
・ 「動いていいよ」のラインを最初に明示する。「ここまでは自由、ここから先は相談」が分かれば、活発性は一気に活きる。
・ “動かない若手”に見えるとき、本当に動かないのか、”動けない環境”を作っていないかを点検する。

■おわりに

世代論の前に、目の前の1人の資質を見る。
それが、これからのマネジメントに必要な視点なのかもしれません。