栄木の”ひとり言”

【第283号】”達成感”の落とし穴

筆者は、”5年日記”をつけています。
今年はちょうど5年目になり、文字もびっしり埋まってきました。

毎日、その日一日の納得度を、「◎・〇・△・✕」で記録しています。

◎は、達成感や充実感のある一日。
✕は、不甲斐なさMAXの一日。

ある日、日記を見返していて、気づいたことがありました。

◎が、1週間続いたことがない。
続いても、せいぜい3日。

さらに、もっとリアルな発見がありました。

◎の翌日は、△が意外に多い。
これは、なかなか痛い発見でした。

調子が悪い日が続いているから、△になるのではありません。
むしろ、前日に「今日はよくやった」と思えた翌日に、崩れています。

正直に言えば、筆者自身、”現代病”とも言えるドーパミン脳になっていることに気づきました。

1つの資料作成が完了する。
終日の研修を無事終える。
善い行いをする。

すると、すぐに自分の中で声がします。

「ちょっと休むか」
「今日はよくやった」
「少しくらいいいだろう」

そして、YouTubeをダラダラ見る、
お酒を飲む、少し夜更かしする。

その“少し”が重なり、翌朝の体が重くなる。
頭の立ち上がりも悪くなる。

結果として、その日は△になる。

つまり、△は突然やってくるのではありません。
前日の◎のあとに、自分で少しずつ△の種をまいてたのです。

これは、仕事やスポーツにも置き換えられます。

大きな商談が決まった。
試合で結果が出た。
念願の目標を達成した。

その瞬間は、嬉しい。
喜んでいい。
祝っていい。

でも、そのあとが難しい。

大きな目標を達成した後、どうも身が入らなくなる。
一度結果が出た後、準備や練習が少し雑になる。
「もう大丈夫」という油断が、どこかに出てくる。

人の脳は、達成感や報酬に反応します。
「うまくいった」「気持ちよかった」という経験を覚えると、またその刺激を求めやすくなると言われています。

しかも今は、その刺激がすぐ手に入ります。

自分の嗜好に合ったコンテンツが続々流れてくる。
ネット見れば欲しいものがすぐ手に入る。
食べたいものは、宅配で苦労せず手に入る。

つまり、今の私たちは、
「頑張った」から「ご褒美」までの距離が、ものすごく短い時代に生きています。

だからこそ、短距離は走れても、長距離が苦手になる。

一瞬は頑張れる。
でも、淡々と続けられない。

仕事でもスポーツでも、人生でも、
差がつくのは達成した瞬間ではないのかもしれません。

「達成した」と思った、その後です。

すぐご褒美に手を出すのではなく、
次の短距離走のスタートラインに立つ。

達成感は、悪者ではありません。
ただ、達成感に座り込むと崩れやすいのが現代です。

達成感をご褒美の合図にするのではなく、
次を整える合図にする。

筆者もまだまだです。

本当に強い人は、達成した瞬間に強い人ではありません。
達成した翌日も、自分を整えられる人と思います。

そんな脳と体に、少しずつ仕上げていきたいと思う今日この頃です。