栄木の”ひとり言”

【第301号】浅草「Ⅲ」

浅草に住んで、ちょうど2年が経ちました。

過去のコラムはこちら。↓
浅草 https://ikiiki-e.com/column/post_206/
浅草「Ⅱ」https://ikiiki-e.com/column/post_139/


これまで都内のいくつかの場所に住んできましたが、浅草はどうも水が合います。
できることなら、長く住み続けたいと思っています。

何がそんなにいいのか。

一番は「笑顔の多さ」かもしれません。

世界各国から訪れた観光客や修学旅行生が、記念写真を撮ったり、食べ歩きをしたり、仲間同士で笑い合ったりしています。

そんな光景を眺めているだけで、何だか心が”ほっこり”します。
見ず知らずの人たちから、幸せをおすそ分けしてもらっているような感覚です。

2年の間に、行きつけのお店も増えました。

もんじゃ焼きなら「かのや」、とんかつなら「とお山」、中華なら「ぼたん」、洋食なら「ヨシムラ」、焼き鳥なら「さと」……。

おかげで、体も一回り大きくなってしまいました。
街の開拓は進むのに、減量はなかなか進みません(笑)。

もう一つの楽しみは、仕事を終えた後、隅田川の河川敷で過ごす時間です。

川沿いに腰を下ろし、ライトアップされた吾妻橋やスカイツリーを眺めながら、一杯やります。
時折、屋形船がゆっくりと通り過ぎ、夜景に彩りを添えてくれます。

今日一日を振り返ったり、考え事をしたり、時には何も考えずボーっとしたり。

何かが解決するわけではありませんが、少し肩の力が抜けます。
筆者にとっては、ほっとひと息つける時間です。

そういえば、住み始めた頃にぼやいていた朝6時の鐘も、今ではほとんど気にならなくなりました。
少し心が穏やかになった……と言いたいところですが、単に慣れただけかもしれません(笑)。

そんな日々を過ごしながら、改めて思うことがあります。

人は、身を置く環境から、思っている以上に影響を受けているのではないでしょうか。

慣れない場所や、どこか気を張ってしまう場所では、人の目が気になったり、普段の自分らしさを発揮できなかったりします。

一方、居心地のよい場所では、心に余裕が生まれます。
「また明日も頑張ろう」と思えることもあります。

もちろん、賑やかな街より、静かな場所が落ち着く人もいるでしょう。
筆者には、たまたま浅草の空気が合っているのだと思います。

大切なのは、誰かにとっての「いい場所」ではなく、
自分が心地よいと感じられる場所を知っていることなのかもしれません。

それは、住む街のような大きな話でなくてもよいのでしょう。
近所の散歩道や公園、家の中の好きな一角でも、気持ちがほぐれる場所はありそうです。

うまくいかないとき、自分に「もっと頑張れ」と言うだけでなく、少し身を置く場所を変えてみる。
そんな選択肢も持っていたいと思います。

さて、あなたにとって、自然と笑顔になれる場所はどこでしょうか。

そんな場所が一つでもあることは、案外、幸せなことなのかもしれません。