人と組織の”葛藤”物語

【第23回】SF 個別化:「みんな違って、みんな違う」を仕事にする──個別化という観察眼

「あの人にはこう声をかけよう」「この人は今は放っておく方がいい」──そんな判断を、ほとんど無意識でしている自分に気づいたことはありませんか?
実は私自身も、個別化が上位資質。だからこそ、強みも”やらかし”も両方リアルに語れる回です(笑)。
今回のテーマは、人間関係構築力の領域にある「個別化(Individualization)」。1人ひとりの違いを”使える情報”として持っている資質です。

■「個別化」って、どんな資質?

一言でいうと、「人を平均で見ない」。

集団に「みんな」と話しかけるより、「Aさん」「Bさん」と1人ずつ違う角度で関わる方がしっくりくる。新しいメンバーが入ると、話し方や表情、言葉の選び方から「この人はこういうタイプかも」と勝手に観察が始まる。”こうあるべき論”より、”その人ならどう動くか”の方が、ずっと興味があります。

私の”個別化あるある”

マネジメントしていた頃、メンバーの個性を観察して”その人らしい仕事”をアサインすることを意識していました。やっていて純粋に楽しい作業でもありました。
ただ、よかれと思ってやっていたら、「えこひいきに見える」というフィードバックをもらってハッとしたことが。自分の中では公平のつもりでも、人によって割く時間や関わり方が変わるので、外からは”差”として映ってしまう。これ、個別化あるあるです。
もう1つ。私は子どもの頃から「みんな同じルール」がどうもしっくりこない人で、ルールは守るんですが、心のどこかで「破ってもいいかな」も同居している(笑)。”協調性がない人”に見えていた時期もあったかもしれません。

個別化の強みと盲点

強みは、画一的な枠を超えて”その人ならではの活躍ポイント”を見つけられること。多様なメンバーがいるチームほど、個別化のいる・いないで空気が変わります。
一方の盲点は、観察に基づく関わりの差が外から”えこひいき”に映ること、観察結果を伝えなさすぎて「見てくれているのか分からない」と思われること、共通ルールへの違和感が”協調性がない”と受け取られること。強みも盲点も、表裏一体です

■活発性をどう活かす?

【個別化が高い本人へ】
・観察した内容を、勇気を出して相手に言葉で返す。「○○さんのここ、いいよね」と伝えるだけで関係性が変わります。
・「公平」が求められる場面では、”全員に同じ機会を、届け方は変える”を意識する。

【個別化が高い人と働く方へ】
・「人によって対応が違う」のは、ぶれているのではなく、相手を尊重しているから。
・”えこひいき問題”が起きたときは、早めにフィードバックを。本人は気づいていないことが多いです。

■おわりに

“こうあるべき”よりも、”あなたなら、どう動く?”
ルールは守る、でもそれぞれの個性は活かす。その絶妙なバランスを楽しむのが、個別化の醍醐味です。