先日、あるプロ野球選手との1on1ミーティングで、こんな話になりました。
この選手は、日頃からかなり自分の身体をケアしています。
トレーニングもする。食事や睡眠にも気を配る。身体の状態にも敏感です。
それでも、ある時どうもパワーが上がらない。
フォームを見ても、それほど悪くない。技術的には大きく崩れている感じもしない。
ただ、若干、お尻と太ももの裏側に”張り”を感じたので治療してもらったところ、
翌朝には背中の張りまでスッと抜けて、ベストコンディションに戻ったそうです。
そして、その後の試合でホームラン。
話を聞きながら、筆者の頭に浮かんだのは「車の点検」でした。
車は、エンジンだけ見ていればいいわけではありません。
オイルもある。タイヤもある。バッテリーもある。ブレーキもある。電装系もある。
どこか一つに異常が出れば、走り全体に影響します。
人間の身体も、かなり似ています。
定期的にセルフケアをしていても、いつもとは違うところに負担がたまっているかもしれない。
技術練習を一生懸命していても、実は改善ポイントは食事や睡眠かもしれない。
ホームランを打てる肉体になっていても、今度はピッチャーとのタイミングの取り方に問題があるかもしれない。
身体が整っていて、技術もある。でも、試合前の情報整理が足りないかもしれない。
逆に、考えすぎてしまい、本来できていたことを自分で難しくしていることもある。
プロアスリートが活躍し続けるためには、本当に点検項目が多いです。
身体。技術。食事。睡眠。準備。相手の傾向。自分の状態。心の持ちようなど。
「これさえやれば大丈夫」というものは、ありません。
ただ、これはプロ野球選手に限った話ではないと思います。
私たちも同じです。
最近、仕事に集中できない。
そんな時、「もっと仕事術を学ぼう」と考えるかもしれません。
でも実は、ただの睡眠不足かもしれない。
最近、メンバーとうまく噛み合わない。
コミュニケーション研修を受けるのも一つですが、もしかしたら自分自身に余裕がなく、相手の話を聞ける状態ではないのかもしれない。
やる気が出ない。
意志が弱いのではなく、予定を詰め込みすぎているだけかもしれない。
つまり、調子が悪い時に大事なのは、すぐに一つの原因を決めつけることではなく、
「どこを点検したらいいだろう?」
と、自分全体を見ることなのだと思います。
車の点検にはチェックリストがあります。
ヒトにはありません。
だからこそ、自分なりの点検項目(チェックリスト)を持っておく。
身体はどうか。
睡眠はどうか。
食事はどうか。
仕事のやり方はどうか。
人間関係はどうか。
頭の中は散らかっていないか。
心構えはどうか。
そして、一つずつ確かめてみる。
調子が悪いからと、いきなりアクセルを踏み込む必要はありません。
たまにはボンネットを開けてみる。
実は、意外なところにメンテナンスが必要なところがあったりするかもしれません…。