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IK!IK!通信

更新日 2023.01.09

【第107号】駒沢大学陸上競技部大八木監督・帝京大学ラグビー部岩出前監督に見た「結果を出す組織」に欠かせないこと

年末年始の学生スポーツで、筆者が特に興味を持って観戦していたのが、箱根駅伝と大学ラグビーでした。

ご存知の通り、箱根駅伝は駒沢大学、大学ラグビーは帝京大学の優勝で幕を閉じました。
筆者自身、別の大学で箱根駅伝・大学ラグビーに関わっていたことがあり、悔しい気持ちも正直ありますが、ここは勝者を称えたいと思います。

勝因には様々な理由がありますが、大八木監督・岩出前監督の考え方のある共通点があったので紹介したいと思います。

結論から申し上げると「指導の失敗を自ら認め、自己修正を図ったこと」にあります。

これは簡単なようで難しいことであります。

たとえば、学生が悪いことをすれば「学生が悪い」ということにもなりますし、特に過去に結果を出してきた指導者ほど、自分の指導法に自信があるゆえに、結果が出ないときは「学生に問題がある。」ともなりがちです。

 

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、帝京大学ラグビー部は前人未踏の大学選手権9連覇を成し遂げた後に、3年間優勝から遠ざかっています。
また、駒沢大学は箱根駅伝で4連覇を重ねる偉業を成し遂げた後、1回の優勝を挟んで、13年間優勝から遠ざかっています。

 

どうやって、両監督はチームを立て直していったのでしょうか。

 

岩出前監督は雑誌(致知2023年1月号)の取材でこう答えています。

「(9連覇を成し遂げている成功の中で)で気づかないうちに綻(ほころ)びが生じていました。1つには、「脱・体育会」等により心理的安全性を高めることはできたものの、慣れ合いやぬるま湯的な空気感が出てしまったのです。」
 (中略)
「そのような状況に危機感を覚えた私は、当時の上級生にもっと成長してほしいとの焦りから、上からの「指示・命令」の指導に戻ってしまい、チームはさらなる悪循環に陥っていきました。」
「もう1つの失敗は、1996年以降に生まれたいわゆる『Z世代』への対応です。全員がそうではありませんが『言われたことしかしない』『失敗を恐れる』『強く指導すると心が折れる』『何を考えているか分からない』『相談せずに(会社を)突然辞める』などが一般的に指摘されるZ世代の特徴です。確かに当たっている面があると納得しました。要するに、もっと早く世の中の流れを掴み、イマドキのZ世代にフィットした指導や組織の仕組みを考えるべきだったのです。いずれにせよ、二つの失敗とも学生に落ち度はなく、指導者である私自身の未熟さが原因です。」
 (中略)
「『脱・体育会系』の方針は堅持しつつ、大きくは雑用の任せ方を見直しました。もう1つは、Z世代はなぜこうした言動を取るのか、背景にまで徹底的に分析し、Z世代へのモチベーション・マネジメントを見直したことです。Z世代にはその背景を理解してうまく介入していく、適切な寄り添い方で伴走していくことが求められます。指導者がしかるべき環境を設定し、時代の変化を押さえた指導を行えば、Z世代の学生も組織も、どんどん成長していくことを教えられました。問題はZ世代ではなく彼らを導く指導者サイドにあったのです。」
 (中略)
「この(連覇が遠ざかった)4年間で改めて実感したことは、何より指導者自身が「無知の知」に撤し、常に変化・成長をする努力と学習を怠らないことの大切さです。指導者が学び変わることをやめてしまえば、組織の発展もそこで止まってしまいます。
 また、『運鈍根(うんどんこん)※立身・成功の三条件として考える、好運に恵まれること、才走らずこつこつ努めること、および根気よいこと。の意味。』という言葉がありますが、指導者が「鈍」である自分を恥じず、根気をもってメンバー一人ひとりやチームに向き合い続けることも大切です。その指導者の姿勢は、Z世代にもしっかりと伝わりますし、それが「運」、よきチャンスや結果を掴むことに繋がっていくのだと思います。」

同じく雑誌致知(2021年5月号)で大八木監督はインタビューでこう答えています。

「優勝できなかった13年のうち6~7年くらいは、朝練でも何でもマネージャーに行かせて、自分は現場に行かなかったり、グラウンドにいて遠くから眺めているだけだったり。結局、練習姿勢や食事の量、体質、性格、強み、弱みなどすべてにおいて選手のことをきめ細かく見ていなかったんです。
 優勝していた頃は、例えば選手が朝練で走り込む際にずっと自転車で並走して指導していました。そうすると、選手の心と体の状態が手に取るように分かりますし、逆に指導者の本気さが選手たちにも伝わっていくのだと思います。」

ー どうやって立て直したのか?

 「2回目のシード落ちをした時に、このままでは本当にダメだなと。自分の指導に対する情けなさ、歯がゆさをつくづく感じました。本気になって情熱を注いでやっていなかった自分自身のあり方を反省しまして、60歳を機にもう一回原点に返って自分を変えようと決心したんです。
 自分の中でこのままでは済ませられない、選手たちに申し訳ないという思いがありました。箱根を優勝したいがために駒澤に来てくれているんだから、彼らの夢を叶えてあげたい、喜ばせてあげたい。そのために俺は指導しているんだと。そう言い聞かせながら、覚悟を決めて再スタートを切りました。
 だからやっぱり安定志向はダメですね。常に挑戦して変化していかないといけない。つくづくそう感じます。」

 

両方のコメントは、「時代は変われど、業種業態異なれど、本質は変わらない普遍の真理」を説いているように感じました。

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