株式会社イキイキ(IK!IK!)

社長コラム

IK!IK!通信

更新日 2025.03.31

【第221号】「想念」のチカラ

先週(3/27)、長崎の原爆資料館を訪れました。
今年は「戦後80年」の年になります。
ただ静かに立っているだけで、全身に何かが押し寄せてくるような空間――。
痛み、悲しみ、怒り、そして、言葉にならない、途方もない問いが心に浮かびました。

「なぜ、人間だけがここまで憎み合い、殺し合うのだろう?」

自然界では、他の動物が仲間を集団で皆殺しにするような行動は、ほとんど見られません。
でも人間だけが、思想や宗教、国家や正義といった“目に見えないもの”のために、
同じ人間を、時に大量に、無差別に、排除しようとする…。

なぜ、私たちはそんなことができてしまうのか?
その問いに対して、ふと浮かんだ言葉がありました。

「想念」。

“想念”とは、心の中にある「想い」や「イメージ」、つまり“目に見えない認識や願望のかたまり”です。
人間は、“想念の生き物”だと、筆者は思います。

なぜなら、私たちがつくってきたもの――
文化も、国家も、制度も、戦争も、愛も、建築も、スマホも、ビジネスも――
そのすべては、“誰かの想ったこと”から始まっているからです。

想うからこそ、描ける。 ーー 目に見えないものから、目に見えるものへ。
描けるからこそ、動ける。 ーー ビジョンから、実現へ。
想念こそが、創造の起点であり、“文明の火種”です。
人間だけに与えられた“才能”でもあります。

ですが、想念には「光」と「影」があります。
想念が“希望”や“思いやり”から生まれると、人や社会を豊かにします。
一方で、“恐れ”や“怒り”“執着”から生まれた想念は、攻撃や支配、排除に向かうことがあります。

“正しさ”を信じすぎた想念は、異なる意見を排除し、分断を生みます。
“恐れ”が膨らんだ想念は、先手を打つための暴力を正当化します。
“無価値感”に満ちた想念は、自分自身を傷つけ続けます。

想念は、まるで“諸刃(もろは)の剣”のようなもの。
どう使うかで、人生を豊かにもできれば、
誰か(あるいは自分)を深く傷つけることもできてしまいます。

だからこそ、いま一度立ち止まって考えてみたいです。
「今、自分がどんな想念を抱いているか」は、想像以上に大きな力を持っていると。

誰かへの憎しみなのか、慈(いつく)しみなのか。
自分への無力感なのか、効力感なのか。
世の中への絶望なのか、希望なのか。

これは、仕事における人間関係にも、そのまま当てはまります。
職場は“言葉”や“行動”が交わされる場所であると同時に、
実は“想念と想念がすれ違い、響き合う空間”でもあります。

「どうせ無理だ」「自分さえよければいい」
そんな想念が言葉や態度ににじめば、周囲の心は静かに遠ざかっていきます。

ですが、
「相手の役に立ちたい」「ありがとう」「自分にもできることがあるかもしれない」
そんな想念があるとき、人と人との間にあたたかな空気が流れ始めます。

これは、私たちIK!IK!の仕事にもまっすぐにつながっています。

私たちは、ただスキルや制度を教える会社ではありません。
人の“内なる想念”に働きかけ、その人自身が「動きたくなる」エネルギーを引き出すことを、大切にしています。

企業におけるハラスメントや人間関係の分断も、
制度や構造の問題というより、
その根っこには“想念の歪み”があることが多いと、私たちは感じています。

だからこそIK!IK!では、こう問いかけます。

「あなたは今、何を想っていますか?」
「あなたの、今のその想いは、自分、周囲に、どういう影響を与えていると思いますか?」

答えは、人それぞれ違っていていい。
でも、その問いに向き合うことこそが、
組織を、社会を、そして未来を変えていく最初の一歩になるーー
私はそう信じています。

想念を見つめ、想念を育てる。
そんな営みが、もっと日常に根づいていけば――
争いではなく、共創の世界へと、私たちは進んでいけるはずです。

長崎で感じた問いは、今も胸の奥で静かに燃え続けています。
そしてその火を、仕事という日常の中で、これからも灯し続けていきたいと思っています。

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