占いや診断で「それ、珍しいね!」「レアキャラじゃん」と言われて、思わず嬉しくなった経験はありますか?
私はそのタイプです(笑)。
テーマは、戦略的思考力の領域にある「着想(Ideation)」。一見関係のなさそうな物事の間につながりを見つけ、新しい発想を生み出す資質です。
■「着想」って、どんな資質?
一言でいうと、「点と点を、線でつなぐ」。ニュース、雑談、電車の広告、昨日読んだ本。別々の情報が頭の中で急に結びついて、「これとこれを組み合わせたら面白いんじゃない?」が生まれる。同じものを見ても、ほかの人とは違う角度から眺めてしまう。そして、新しいことを考えているときに、いちばん元気になる。そのワクワクこそが着想です。
■私自身の“着想あるある”
私も着想が高めで、「人と違う」と言われるとなんだか嬉しくなるときがあります。
以前、懇親会で手相アプリをみんなで試したことがありました。「私も同じ線だ」「一緒だね」と盛り上がるなか、私の結果だけ「珍しい手相です」。周りから「レアキャラだ」と言われ、ちょっとニヤッとしました(笑)。
人と違うことに不安を感じる人は少なくありません。でも着想の人にとって、違いは不安ではなく嬉しさの種。「みんなと違う」は、まだ誰も通っていない道に立っているということだからです。
■私が見た“着想の人”
もう一つ、忘れられない光景があります。ある研修でブレインストーミングをしたときのことです。
「付箋に、思いつくアイデアをどんどん書いてください」と声をかけると、多くの方は5枚から10枚ほど。ところが、ある方の手元だけ、付箋がどんどん積み上がっていきます。結局、その方は1人で30枚。ほかの人の3倍以上です。
しかも、ご本人は涼しい顔で、むしろ楽しそう。一つ書くと、そこから次のアイデアが連想で出てくる。「これがあるなら、こっちもありだな」「逆にこうしたらどうだろう」。アイデアがアイデアを呼んで、手が止まらないのです。周りの方が「もう出ない…」と頭を抱えている横で、まだ書き続けていました(笑)。
■着想は「思いつき」ではなく「つながりの発見」
二つの話に共通しているのは、アイデアが何もないところから湧いてきたわけではない、ということです。
着想というと、「ひらめき型」「思いつきで話す人」と思われがちです。でも本質は少し違います。目の前の情報を、頭の中にある別の引き出しと照らし合わせて、「ここと、ここがつながる」と見つけている。付箋30枚も、1枚目から次の1枚へ、連想の糸でつながっています。ゼロから生み出すというより、すでにあるものの“新しい組み合わせ方”を見つける力なのです。
■着想の強みと盲点
強みは、行き詰まった場面に新しい風を吹き込めること。「今までのやり方ではうまくいかない」というとき、「こういう見方もあるよ」と別の扉を開けてくれるのは、たいてい着想の人です。ブレストでは、まさにチームのアイデア発電所です。
一方の盲点は、アイデアが広がりすぎて、目の前のゴールから離れてしまいがちなこと。会議の途中で新しい話を持ち込んで「結局、何の話だっけ?」と言われたり、「人と違う」ことにこだわるあまり、みんなが納得している案に素直に乗れなかったりすることも。
■着想をどう活かす?
【着想が高い本人へ】
・ 「広げる時間」と「まとめる時間」を分ける。ブレストでは思い切り30枚書き、決める場面では一番いい1枚を。モードを切り替えるだけで、アイデアが“脱線”ではなく“提案”として届きます。
・ 「人と違う」を楽しめる感覚は、そのまま大事にする。その感覚があるからこそ、誰も言わないアイデアを口にできます。ただし、みんなと同じ答えが正解のときもある。違いを楽しみつつ、同じものの良さにも目を向けられると、発想の幅はさらに広がります。
【着想が高い人と働く方へ】
・ 話が飛んだように見えても、本人の中ではつながっています。「それ、どこからつながったの?」と聞いてみると、思いがけない発想の道筋が見えてきます。
・ 企画の立ち上げや、行き詰まったときこそ声をかけてみる。「何か別の見方ない?」と聞かれると、生き生きとアイデアを出してくれます。
■おわりに
同じものを見ても、違うつながりを見つける。その発想の豊かさが、チームに新しい可能性を運んできます。着想は、“ちょっと変わった人”ではなく、“まだ誰も気づいていない道を、見つけてくれる人”なのです。
「強みを知れば、自分のキャリアはもっと面白くなる。」
