更新日 2024.09.28
【第195号】仕事で「独立」を考えている方へ

おかげさまで、5期目も社業は順調に推移しています。
筆者が独立してから、よく聞かれることがあります。
それは、
「独立するにあたって、勝ち筋はあったんですか?」
という質問です。
答えは「NO」です。
独立するときにあったのは、
「度胸・情熱・勢い」だけです。(笑)
そして、今、事業がうまくいっているのは、
「実力」や「才能」があったからとは思ってません。
「運・縁・機(タイミング)」のおかげだと思っています。
「おかげさまで」という気持ちが根っこにあるので、「感謝」の気持ちが芽生えてきます。
だからこそ、「いただいた恩を返したい」という気持ちになります。
「なんとか成果に貢献したい」
「困っている人の役に立ちたい」
「自分を必要としてくれる人のお役に立ちたい」
その一心で、創意工夫が生まれ、結果として実力が身に付くことを実感しています。
そして、成果に貢献することで、相手にも感謝をしてもらえる…。
そんな良い循環が生まれていると感じています。
一方で、努力しているのに、うまくいかない時期もありました。
今思えば、その根っこにあったのが、
「自分が、自分が」の精神です。
「成果を出したのは、自分が誰よりも努力をしてきたからだ」という思いです。
「努力・根性・忍耐」の世界です。
この考え自体を否定するつもりはありませんが、これらを持ちすぎると、自己に執着してしまうことも実感しました。
すると、なぜか他人に分け与えたくなくなるのです。
「これだけ自己投資(努力)してきたのだから、リターンがあって当然」という考えです。
すると何をするにも、まず「要求」から入ってしまいます。
ですが、「要求」から入ってくる人に、他人はお願いしようとは思えません。
かといって、そのようなメンタリティだと、無償で分け与えることにも抵抗を感じます。
自分がやっとの思いで得たものを「持ち逃げ」されている感じがしてしまうからです。
気がつけば、高額なわりには相手に与えるものが少なく、相手はあまり価値を感じてくれません。
与えるのは不満とクレームです。
もし筆者がこのようなメンタリティで独立をしていたら、きっとうまくいっていなかったと思います。
これが「勝ち筋があったから、独立したわけではない」という理由です。
では、「『おかげさま精神』でいれば、このまま事業は順調に推移していくのか?」
と聞かれたら、
答えは「NO」です。
いつ、なんどき、環境変化が起きるか分かりません。
ピンチはいつでも訪れると思っています。
そんなときに大事なのは、上に伸ばそう伸ばそうとするのではなく、
下に根っこを生やしていくことと肝に銘じています。
今、「独立したい」「自分独自の価値を発揮して生計を立てたい」と考えている人も増えていると思います。
本コラムが、そんな方々にとっての一助になれば幸いです。