株式会社イキイキ(IK!IK!)

社長コラム

IK!IK!通信

更新日 2025.03.02

【第217号】おかしな人?

先週の金曜日(2/28)の出来事です。
知人の紹介で、単発の講演依頼をいただきました。
その方は、「ご挨拶も兼ねて、一度御社にお伺いしたい」とおっしゃいました。
片道2時間、往復で4時間という距離を移動されるご足労を思うと、今の時代、オンラインやメールで十分ではないかと考え、
「ご足労もおかけしてしまいますので、オンラインでのやりとりで大丈夫ですよ」とお伝えしました。

しかし、それでも「ぜひ一度直接お会いしたい」とのご意向。
正直、たった1時間の打ち合わせのために移動に4時間もかけるのは、効率重視の現代においては「タイパ(タイムパフォーマンス)」が悪いと感じました。

ところが、実際にお会いしてみるとーー。

当初予定していた1時間の打ち合わせは、いつの間にか2時間近くの談笑へと変わっていました。
講演の内容について話すはずが、ふとした瞬間に人生観や価値観の話題に広がり、筆者自身も気づけば心が温まる、「温かい空気」に包まれていました。

お話を伺うと、その方はSNSを全く利用されず、スマホもここ1年でようやく手にされたとのこと。
ぎこちない手つきでスマホを操作される様子は、まるで違う時間軸で生きるかのようで、どこか懐かしく、そして新鮮に映りました。
「SNS?この先もやるつもりは全くありません。必要ないですよ。」と毅然とおっしゃるその表情からは、現代の喧騒とは一線を画す、静かで確固たる生き方がにじみ出ているように感じました。

この出会いは、筆者にとって非常に大きな気づきとなりました。
リアルな世界での人との対話や、顔を合わせた生のコミュニケーションが、私たちの心にどれほどの豊かさをもたらすのか、改めて実感しました。
効率やスピードばかりを追い求めるあまり、筆者は大切な何かを失っていたのではないかと、深く考えさせられるひとときでした。

“おかしな人” なのは、この方ではなく、むしろ筆者自身の生き方にあったのかもしれません。

現代社会は、タイパ重視のコミュニケーションが当たり前となり、双方向の温かい対話は希薄になりがちです。
人と目を合わせ、笑顔を交わし、共に時間を共有するその大切さが、いつの間にか後回しになっていたのかもしれません。
筆者はふと、日常の中でPCやスマホの画面に埋もれ、相手の表情や声の温もりを感じることが後回しになっていたことに気づかされました。

この出会いは、筆者にとって単なる偶然ではなく、現代に生きる私たちが忘れかけていた「存在そのものの力」を教えてくれた貴重な機会となりました。
たとえ効率が最優先される現代であっても、時には非効率な出会いが、心の奥底に眠る大切な何かを呼び覚ますことがあるのだと、改めて実感しました。

講演の依頼を受けた筆者ですが、むしろ、その方に謝礼をお支払いしたい気持ちになりました。
本当にありがとうございました。

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