株式会社イキイキ(IK!IK!)

社長コラム

IK!IK!通信

更新日 2025.06.10

【第231号】再発見の力 ── 土浦とコーチングに共通するもの

先週末、茨城県の土浦駅に降り立ちました。
駅前を歩いてすぐ、ある光景に思わず足が止まりました。
——自転車を押した人、自転車を整備する人、自転車で颯爽と走り抜ける人。
そう、駅のまわりは「サイクリスト」で溢れていたのです。

思えば約20年前、筆者はこの土浦にしばらく赴任していました。
その頃の土浦駅は、駅ビルのテナントも減り、商業都市としての勢いが失われつつある、いわば“通過点”のような存在でした。
霞ヶ浦がすぐ近くにあるにもかかわらず、それを活かしきれていないようにも見えました。
人通りの少ない駅前通りを歩きながら、どこか物寂しさを感じた記憶が、今でも残っています。

それが、今はどうでしょう。
駅にはサイクリスト向けの拠点施設「りんりんスクエア土浦」が整備され、カフェやロッカー、シャワーまで備えています。
霞ヶ浦を一周するサイクリングロード「つくば霞ヶ浦りんりんロード」は、日本有数のサイクリングルートとして注目を集め、週末ともなれば各地から多くの人が訪れています。

湖畔を吹き抜ける風を感じながらペダルを漕ぎ、遠くに筑波山の雄姿を望む。
ただそれだけなのに、日常を離れて自然と一体になれるような感覚があります。
そして、それを目的に人が集まり、町が再び賑わいを取り戻しつつある。
そんな「町の再生」を実感しました。

ここでふと感じました。
この変化は、「何か新しいものをゼロから作った」のではなく、「もともとあった資源に、別のまなざしを向けた」結果なのだと。
つまり、魅力や価値はずっとそこにありました。
ただ、それを見つめ直し、活かそうとした人たちがいた——それが町の姿を変えたのです。

この土浦の町おこしに、筆者はコーチングとの共通点を強く感じました。

たとえば、本人にとっては「当たり前」のこと——
昔から自然にやっていたこと、特別だと思っていなかった思考パターンや習慣。
でも、それが他者から見ると「その人らしさ」や「魅力」「強み」に映ることがあります。

コーチングは、まさにその“当たり前”に光を当てる営みです。
問いや対話を通じて、その人の中にある“まだ見ぬ資源”を発見していく。
自分では気づけなかった可能性に出会い、それを言葉にし、行動に移すことで、人は少しずつ変わっていきます。

町おこしも、コーチングも、実は「再発見のプロセス」であり、「見えなかった価値に光を当てること」なのだと思います。

新しい何かを“足す”のではなく、すでにあるものを“活かす”。
そのためには、ほんの少しのまなざしの変化と、誰かの働きかけ、そして行動の積み重ねが必要です。

人も町も、本来の魅力や力を取り戻すとき、驚くほどイキイキと輝きはじめます。
土浦の空と風の中で、それを静かに、でも確かに感じた一日でした。

資料請求

IK!IK!のサービス資料をダウンロードいただけます。
人財開発・組織開発支援・研修などのサービスを
ご検討の方は、ぜひご一読ください。

資料を見てみる

お問い合わせ

まずはあなたの「モヤモヤ」をご相談ください。
お客様一人ひとりの課題に「傾聴の姿勢」で
最適なご提案をいたします。

相談してみる