更新日 2024.07.08
【帰ってきた「えいき通信」第17号】三吉屋ラーメン

筆者が、新入社員から5年過ごした町、新潟。
何かのご縁か、昨年、新潟のある企業から仕事の依頼を頂いた。
正直、うれしさで「感無量」な想いだった。
なぜなら、筆者が今、こうしてまともに社会人として活動できているのも、当時、新潟にいるお客様や同僚のおかげだと心底思っているからだ。
だからこそ、新潟に「恩返し」をするつもりで、この企業に対して自分ができることをやっている。
昨年よりプロジェクトに関わり、新潟への出張機会も増えた。
そんな中、新潟に行くと、必ず行くラーメン屋がある。
「三吉屋」
つい先日、新潟駅に降り立つと、正直、寂しい思いをした。
「古き良き建物」がどんどん取り壊され、どこの町にもあるような「近代都市」になってしまった感があったからだ。
洗練されているけど、どこか味気ない感じがしてしまった。
そんな中でも、筆者がいた頃となんら変わらない場所が、「三吉屋」。
見せの佇まい、店内、店主、どんぶり、匂い…すべてが変わらない。そのままだ。
まるで、20年前の当時にタイムスリップした気分だ。
ただ、一人で行くのではない。
新潟に初めて訪れた筆者の仲間と一緒に行くことにしている。
すると、決まって仲間はこう言ってくれる。
「素朴でおいしい。おふくろの味がする。」
「初めて来たのに、初めてじゃない、懐かしい感じがする。」
すると、筆者は「ドヤ顔」で、「実は、『ドカベン』の作者・水島新司行きつけの店だったんだ」と紹介する。
その水島新司氏が、某紙のコラムで「三吉屋は、一杯二万円の価値のあるラーメン」と評したそうだ。
それは、「三吉の優しい味のためなら東京~新潟間の新幹線往復分の『二万円の価値』は十二分にある」というものだそうだ。
新潟市民に昔から愛され続けている店、三吉屋。
そして、何十年も変わらぬ味を提供し続けてくれている店主に脱帽だ。
世の中、新しいものばかり注目されがちだが、「三吉屋」のように、日本には「古き良き伝統」を守り続けている店がたくさんあるだろうし、そんな人たちが陰ながら日本を支えているんだと思う。
実際自身、三吉屋のラーメンのおかげで、満腹感だけではない「温もり」を頂いた気がする。