更新日 2025.05.18
【第228号】浅草「Ⅱ」

浅草に住みはじめて、半年が経ちました。
↓(住み始めた頃のコラムはこちら)
https://ikiiki-e.com/column/detail/3970
相変わらず、朝6時になると、浅草寺の鐘がゴーンと鳴り響きます。
夜には消防署のサイレンが走り、大晦日には“爆音付き”の車が町を横切っていくことも判明しました。
穏やかな町とは言えませんが、なぜか、心はとても穏やかです。
それは、きっとこの町には、“人のぬくもり”があるから。
近所のクリーニング屋さんも、町の中華屋さんも、床屋さんも、松屋のデパ地下も、“さりげないひとこと”や“まなざし”にどことなく温もりを感じます。
浅草寺を歩けば、観光客の半分以上は外国の方。
あちらでも笑顔、こちらでも笑顔。
写真を撮って、ソフトクリーム片手に歩く様子は、まるで世界の縁日。
でも、そこにもちゃんと“良い気”が流れています。
文化も言葉も違うのに、不思議と通じ合うものがあります。
やっぱり、人は“気”でつながっているんだな…と。
そして、この週末は「三社祭」。
町全体が躍動し、神輿が揺れ、かけ声が響いていました。
浅草が一年で最も熱を帯びる三日間。
でも筆者はその輪の中には加わらず、少し離れた場所から、ただその景色を眺めていました。
不思議なことに、それがまったく寂しくありませんでした。
人の波の外にいても、そこにあった笑顔や言葉の熱が、じんわりと胸に届いてきました。
輪の中心にいなくても、ちゃんとエネルギーをもらえることがあるんだな…と。
いまの社会は、便利で、速くて、効率的です。
でもそのぶん、ちょっとした言葉や視線に、気持ちが宿りにくくなっている気もします。
だからこそ、IK!IK!はこう信じています。
誰かに向けてかけた“ひと言”が、
誰かの一日を輝かせ、
誰かの心をイキイキさせる。
つながりは、特別なものじゃなくていい。
目を合わせて、ちょっと笑顔で会釈する…。
それだけで、人は元気になる。
浅草という町は、
そんな“当たり前の奇跡”が、今でもふつうに流れている場所でした。
この町で出会った声、表情、ぬくもりを、
IK!IK!は、また別の誰かに渡していきたい。
町に根づく“粋”と、
人の奥にある“活き”と、
心と心をつなぐ“想い”を。
受け取ったぶん、ちゃんと還元する。
それがIK!IK!が大切にしている、“イキイキの循環”です。
明日も、6時の鐘が鳴ります。
それは、人の心をつなげるための、新しい一日のはじまりの合図です。